124話 救世主 ページ30
大ガマside
倒れたAに駆け寄った俺たち
でもAはもう既に、息を引き取っていた
大ガマ「…死んだのか…?」
土蜘蛛「そんな…まさか…」
俺たちは息をしていないAを受け入れられずにいた
しかしこんなに密着しているのに全く聞こえてこない鼓動と、着実に冷たくなっていくAの身体がもうAは目を開けないと、残酷に物語っていた
大ガマ「…また、守れなかった」
土蜘蛛「…また、死なせてしまった」
俺たちしかいない平原。
辺り見ると、もう空は明るくなり、朝日が顔を出していた
さっきまで戦闘があった場所は一気に静になり、風が頬をなでる
大ガマ「……」
なにかが頬をつたう
深紅の眼から出てきたのは、哀しみに染まった涙だった
大ガマ「俺たちは…まだ生きていたAを勝手に殺して…勝手に大将にさせて…。部下が羅刹になって、また死なせちまったのか?」
土蜘蛛「吾輩たちがしてきたことは、無駄だったのか…?」
全身が黒くそまったAの頬をなでる
Aはもう、照れることも、怒ることも、笑うこともない
大ガマ「……」
現実から目を背けたくて、目を瞑ったときだった
ザッザッザッザッ…
足音が聞こえてきた。その足音の主が誰なのか?確認する気力もなかった
??「…遅かったか…」
??「羅刹の姿が見えないが、撃退したのか?」
土蜘蛛「…いえ…。Aが、自分の中に…羅刹を…」
土蜘蛛が足音の主に今までの事を話した。
その間も、俺は前を見ることができなかった
??「…力が足りなかったから、身体が羅刹の力に耐えられなくて死んだだと?」
土蜘蛛「……」
??「…そうか。なら、俺の力を分けてやる」
土蜘蛛「……!?」
??「なっ……!」
「力を分けてやる」その言葉に驚いた俺は、やっと目を開け、正面を見る
そこに立っていたのは、幼いながらも妖魔界を統べるエンマ大王だった
そして、その隣にはエンマ大王の側近であるぬらりひょん議長もいた
土蜘蛛「大王さま……!?」
ぬらりひょん「何を仰るんですか!力を分け与えるというのは、婚礼の儀式なのですぞ!」
ぬらりひょんが、エンマ大王に向かって怒鳴る
エンマ大王は顔を少し歪ませてぬらりひょんに言った
エンマ「そんなことぐらい知っている。俺を馬鹿にしているのか?力を与えるんじゃねーよ。」
するとエンマ大王は自分の指に傷をつけた
エンマ「血を飲ませんだ」
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時