109話 眼に映るもの ページ14
それから、しばらく時間が経った
戦況は絶望的だった
ある者は羅刹の呪いで仲間から攻撃を受け、
ある者は黒い人影に襲われ無念に、
ある者はたった一撃で力尽き……
俺たちの仲間は次々と倒れていった
大ガマ「……」
土蜘蛛「……」
残っている妖怪は俺と土蜘蛛の二人と、オロチとキュウビ。そして数人の妖怪だけだった
黒い人影はなんとか全員倒したが、次またいつ羅刹が黒い人影を呼び起こすか分からない
日の出まで時間もない
妖怪たちの体力も時間の問題だ
オロチ「土蜘蛛殿…私はまだ戦えます」
キュウビ「面白くないねェ…あんな奴にこの町を支配されるのは…」
このふたりはまだ体力が残ってそうだが…
妖怪「はぁ……はぁ…っ！」
妖怪「………」
他の妖怪は今にも倒れそうだ
大ガマ「麒麟！回復！！」
麒麟「御意！」
これでなんとか持ちこたえてくれればいいんだが…
と、思っている間に羅刹は攻撃準備に入った
なにやら渦の真ん中に、気味の悪い眼が出てきた。その眼は真っ赤で、まるで血の色のようだった
大ガマ「なんだ…あれ…」
土蜘蛛「…油断するな……」
全員でその眼を睨む
やがて、その眼の中になにやら映像のようなものが流れてきた。その眼に映るのは…
貴『はぁ…はぁ……っぐ…！』
大ガマ「A！？」
土蜘蛛「これはいったい…」
眼に映るAはとても苦しそうで、報告の通り肌のあちこちが黒くなっていた。まるで身体ごと力に支配されているような…
そして、その苦しむAに近づく黒い影がひとつ…
土蜘蛛「何を……！？」
大ガマ「……」
その黒い影は苦しむAの腹へと手を伸ばす
その手はなんとAの腹を貫通した
手はAの胸部、鎖骨へと進み、肘までAの身体に入った
そして、黒い影はそのままAの身体の中へと入っていく。その瞬間、Aは黄金の眼を見開き、静かな声で言った
貴『つちぐも……おおが…ま………』
そう言うと、やがてAの肌全体が黒くなり、涙を流しながら眼を閉じた
土蜘蛛「………」
大ガマ「……」
羅刹「シんだ…シんダ……カワいそウ……」
…死んだ？
…Aが？
うそだろ？
俺の目の前は真っ白になった
もう、何も感じなくなり、ただ立ち尽くすだけ
大ガマ「……してやる」
静かな感情は、火がついたように激しく怒りをもたらして
大ガマ「殺してやる！！！」
俺は殺意に支配された
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (
レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ！あの…！リクエストのことで…！土蜘蛛と大ガマ！以外でもいいですか？okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…！どうですか？ (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました！るーくさんには本当元気もらいました！なにかリクエストあったら言ってください！作品にさせていただくかもしれません！ (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナミ | 作成日時：2018年1月8日 3時
