107話 穢れた殺意 ページ12
羅刹を見た瞬間、吾輩の全てが殺意で支配された
殺意に任せるがまま、羅刹に向かっていく
吾輩の頭の中で『殺す』という言葉だけがこだまする
羅刹を殺すこと。それが吾輩の目的…!
土蜘蛛「貴様を殺す!!」
渦に向かって蹴りを入れようとしたときだった
土蜘蛛「ぐぁっ……!!」
吾輩はまるで重い石でも持っているかの様な、とてつもない体の重さに襲われた
当然、吾輩の身体の上にはなにものっていない
羅刹から放たれた重圧に身体が負けているのだ
土蜘蛛「ぐっ…!…殺す…殺してやる!!」
身体を押さえつけられても、頭のなかは羅刹を殺すことでいっぱいだった
押さえつけられていた身体から、黒い何かが吾輩から放たれる。それは羅刹の元へ行くと、羅刹はまただんだんと大きさを増していった。
吾輩から出ているのは、憎悪だった
殺意が憎悪となり、羅刹の一部へと変わっていく
憎悪を吸われた妖怪は、次々と倒れていくのを思い返した。
…まずい…!このままだと吾輩も倒れて…羅刹の居場所を教えることもできない…!
土蜘蛛「うっ…!ぐあ……!!」
抵抗しても、身体は全く動かない。
そうしている間にも、憎悪は吾輩の身体から出ていく
……A…………!!
その時だった
??「うぉらぁぁあ!!」
土蜘蛛「…!?」
突然の雄叫びと共に、吾輩の身体は軽くなる。
立ち上がると、そこにいたのは…
大ガマと、仲間たちだった
大ガマが不意打ちで羅刹に蹴りを入れ、驚いた羅刹は吾輩の憎悪吸収をキャンセルした
大ガマ「何してんだよ!羅刹を見つけたらすぐ報告って言ってただろーが!!」
オロチ「土蜘蛛殿…!大丈夫ですか!?」
激ドラゴン「おんどりゃああ!!無茶すんじゃねぇですよ!!」
土蜘蛛「お主ら……」
殺意でいっぱいだった吾輩の心は、助けてくれた仲間たちによって消えていった
…まだ多少の殺意はあるが、我を失うほどではなくなった
大ガマ「やっと見つけたぜぇ…羅刹…!」
大ガマが羅刹を見据える
他の者たちも皆、羅刹を睨む
大ガマ「土蜘蛛ォ!!次あんな汚ねぇ殺意持ったらお前攻撃するからな!!それが嫌なら指示だしやがれ!!」
大ガマの声が平原に響く。
その言葉に、吾輩はフッと笑みをこぼし、言い放った
土蜘蛛「朝日が出る前に全て終わらせる!!絶対に今日中に羅刹戦を勝利におさめるのだ!!誰一人負けることは許さん!!」
一同「オオーー!」
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時