不死人形 ページ38
炎熱によって溶かされた念糸は使い物にならず、接続を解除するしかなかった。
体力問題で念糸の強度が悪いのともう1つ、単純に剣などで切られてしまえば終わりなのが弱点。
「ほら、避けてみなよ」
相性としてあまりよろしくない火の魔人のヘイトを押し付けられた私はびゅっと念糸を走らせる。
狙ったのは奴の頭。1発で仕留めたい、がしかし。
奴の全身が熱を放っているため今の強度では糸が届かない。これ以上を求めて欲しくないんだが、と地面に足を着いた瞬間魔人が腕を振るう。
地面が派手に削れて瓦礫が飛び回る。
『邪魔だな』
土煙と細やかな瓦礫や破片に目を細め、何とか避ける。しかし人間、いつまでも滞空していられない。安全な場所を探そうと魔人と夏油の場所を把握しようとするが。
『いない…？』
魔人の姿がどこにも無い。あんなでかい図体で萌えてるんだ。分かりやすいはずなのに…。
困惑しながら夏油を見れば、彼は静かに笑っていた。私じゃない、後ろを見て。
「ガァァウ！！！！」
『ぐっ！！ぎぃ…。！？』
はっとして背後に目を向ければ、手に持った木標の様なもので右半身を横殴りにされ骨と肉がぐちゃぐちゃになる音がダイレクトに響く。
ぐぐぐ、と押され次の瞬間とんでもない速度で吹き飛ばされて高専の無駄に高い建物に衝撃によって生まれた円形の波と共にめり込む。
折れた。どころじゃない。
右半身はもう使い物にならない。
複雑骨折まっしぐら。内蔵にも骨が刺さっているだろうし瓦礫だって刃物のように表面の肉に入り込んで、これを抜けば血の大洪水だ。
これじゃもう戦えない、そう夏油は思ってるのだろうな。
今、全ての壁をぶち壊してやってきたパンダと棘が交戦中。代わるがわるだ。
しかし勝てない。相手が悪い。
尋常じゃなく震える左手を何とか起こして念糸を発動。体の力が抜けていて息も絶え絶え。
でも、死ぬなら戦いながら死にたいから。
まずは痛覚を切る。
次に折れた骨を糸で代用し、筋繊維の真似をして念糸を何十本も使用する。
あらぬ方向にぐねった足も腕も、それでなんとか人についた形へと戻る。
痛覚遮断をした上で温感冷感衝撃攻撃何もかも邪魔になる感覚をとっぱらって立ち上がる。
ふっと滑らかに糸を操り夏油に近づこうとする棘パンダの邪魔をする炎の魔人に最高強度の念糸を高い集中と精神力、体力呪力を奪うそれを作り上げて、今度こそ。
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい！発作です！！嬉しがってくれて嬉しいです！(？)更新頑張ってください！ (2021年2月9日 16時) (
レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....？好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます！！！ (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ！！！！！！好きです！もうっ！……ああっ！だいすき！！ (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜！！嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます！！！もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い！！！！！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです！私も乙骨くん推しなんですよ！もう作者様様です！ (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しし。 | 作成日時：2021年1月1日 11時
