お荷物 ページ37
『お荷物……?』
「分かってるくせに、言わせるんだ?……脇に抱えたそれだよ。禅院の落ちこぼれ。猿さ」
彼女が寝ていてよかった。こんな言葉聞き飽きたと言うかもしれないがそれでも聞かせたくない。
このままこいつと戦闘を続ければ、攻撃でも喰らえば真希は確実に巻き込まれる。
その前にと彼女を念糸の力だけで力を振り絞って安全な校舎内…と言っても外から入れはする位置になんとか置く。その間も夏油傑は何故か律儀に待っていた。にやにやして、気持ち悪。
『…言っておくけど、そういう挑発にのってキレるタイプじゃないから』
手袋を填めてぎゅっと手を握り、身体強化を重ねがけする。ドーピングのようなものだが違法じゃない。自分の力だ。
「それは残念。君は何故非術師を助ける?」
『義務』
「義務……あっははは!!」
以前、少し前、似たような質問を聞いたが…。
こいつのせいか、と改めて舌打ち。
腹を抱えて笑う夏油はひぃーと涙を拭った。
「君みたいに割り切れてたら、私も楽だったのかな?」
『聞かないでください。面倒臭い。過去に囚われる男は嫌われますよ』
「今の君が私を嫌うように?」
『そうです』
夏油傑は今、私にしか視ることの出来ない糸の中心にいる。全方位囲まれて、動けば私がそれに反応する。動かなくてもこちらから殺る。
彼の生死などどうでもいい。元より私は生け捕り専門の術師。仮死状態にするなど造作もない。
視界をゆらゆらと揺れる、人差し指に繋がる糸を彼の頭部にぴたりと焦点を合わせる。
殺るなら1発、脳を焼ききってやる。
「っ!!……あついなぁ」
ぱちゅんと電流を送った糸を、何を感じとったのか振り払った。
やはり真希を運んだ際に体力を使いすぎたか、思うようなスピードがでない。
言い訳はしたくないんだが、とため息を吐く。
両手をぐんと下げて床に押し当てる。
仕掛けた罠はそれに従って上から夏油をコマ切れにしようと襲いかかる。
『……、くそ野郎が』
「口悪いなぁ。そんな女の子は嫌われちゃうよ」
先程私が投げかけた言葉に反抗するように返してきたがそれを気にする余裕も情もない。
彼は炎を吐き出し噛み締める呪霊を纏わせていた。恐らく、事前情報として何か持っていたのだろう。じゃなきゃ瞬時にわかりっこない。
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい!発作です!!嬉しがってくれて嬉しいです!(?)更新頑張ってください! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....?好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます!!! (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ!!!!!!好きです!もうっ!……ああっ!だいすき!! (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜!!嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます!!!もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い!!!!! (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです!私も乙骨くん推しなんですよ!もう作者様様です! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しし。 | 作成日時:2021年1月1日 11時