埋めてしまえよホトトギス ページ34
『では伊地知さん、母の事よろしくお願いします。…お仕事増やしてしまってごめんなさい。』
「いえいえ全然!Aさんのお願いなら何でも聞きますよ。」
にこー、と。本当に心から思っていそうな笑顔で頬を染めている。
これから地元へと帰る母を空港まで送り届けてくれる、とのことで。五条先生が遣わしたらしく店の前でスタンバっていた彼は元気そうだ。
いつも忙しいんだからたまには休んで欲しいが…自分がその仕事を増やしてしまっていれば何も言うことが出来ない。
『じゃあ、行けそうな時には連絡を入れるから。遊んだりしないことだよ。』
「もう!しないわよってば。…というか、帰郷の連絡以外でも連絡をくれていいのよ?」
『考えとくよ。』
今はスマホとやらの扱いも慣れちゃいないし、それは難しいのではと思うが善処しよう。
それではと言って発車した黒い車を見送ってから自分は自分で高専への帰り道を歩き始める。
それにしても呪いを引きつける体質……か。
今の彼女に寄る呪いは見受けられなかったし、いたら私も空港まで着いていくに決まっている。
考えられるとしたら呪物、それも強力で呪いを大量に引きつけるほどのなにか……。
「宿儺の指。それが入っていた箱を彼女はずっと持っていたんだ。ほら、これが報告書。」
高専でやはりだらだらとしていた五条を叩き起こして尋ねるとその質問を待っていたと言わんばかりに机に置いていた書類を差し出してくる。
『幼少期に小学校の土いじりをしていた時に掘り出して、中には両面宿儺の指も入っていた……が、何故か彼女は箱だけを持ち帰り指はそのまま埋め直した…と。』
「ウケるよね。ボロきれ程度だったけど封印の紙も巻かれてて、それを剥がしてみたら気持ち悪かったから埋め直したらしいよ。ま、子供の反応なんてそんなもんだよね〜。」
しかもその箱に印鑑を入れて持ち歩いていた、というまさかすぎるエピソードに唸って黙り込むしか無くなってしまった。
まぁ、結果的に現在それを呪術連が回収しているのだとなれば良かったのだろう。
それから中学時に五条先生が北海道を、私たちの街の近くを訪れたのはそれのせいでもあると言われてはもはや申し訳ない。
その時は見つからなかった。何て言ったって地面に埋まっているんだから。何十年も前に。
「で、仲直りは出来たの?」
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい!発作です!!嬉しがってくれて嬉しいです!(?)更新頑張ってください! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....?好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます!!! (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ!!!!!!好きです!もうっ!……ああっ!だいすき!! (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜!!嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます!!!もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い!!!!! (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです!私も乙骨くん推しなんですよ!もう作者様様です! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しし。 | 作成日時:2021年1月1日 11時