その兎は恋をする【呪術廻戦】

狂気絢爛 ページ28

　
　
　
　
　
　
　
　
「…ッお母さんに対してその言い方は何！？
その名前をつけたのはお父さんよ？お父さんのことを馬鹿にするの？！！」


『…はは、沢山の男と寝てるあなたじゃ、どの人が父か分かったもんじゃないなぁ！！』


「…何で、何でそんなこと言うの！？」





「ちょっと、2人とも落ち着こうか。」



口から若干の血がでる。我慢のし過ぎは良くないなと五条の仲裁によって親子は引き剥がされる。
口元の血を袖でぐいと乱暴に拭うAは床にへたりこみ泣き崩れる女を見下ろす。




「…何で、お母さん、必死に働いてるのに。
Aを育てるために必死に！！なのにみんないっつも私が悪いみたいに！私ばっかりが悪いみたいに言って捨てていく！！」


『…私が毎月お金を送ってるでしょ。その中にはあなたが送ってきたお金を入れて返してる。
あなたはそのお金で男と遊んで贅を尽くしてる。つまり自分の為だろ』


「ひどい…！ひどいよA！！
私が何をしたっていうの？何で、そんなに…！」





『…何もしなかったからだよ、分からない？』





　
　

　
　
　
　


　
　




『やっぱり、五条先生があの人に私がどこにいるか言ってたんですね。』




場所は変わって寮の談話室。
あの女はとりあえず帰らせた。道端で男に襲われようが既に汚れきった体では問題あるまい。




「悪かったよ、でもそうでもしなきゃあの人は虱潰しに周囲の人間を殺していたかもしれない。」




否定できないところが困った点だ。
苦虫を噛み潰すよりもよっぽどひどい表情を私がするのには他の原因もある。
同級生が、怖い。




「アポなしで学校内にいてさぁ警備員が止めてもうちの子がいるんだからの一点張りで何を言っても聞かないあの人の相手してたの、何時間も。」




ラフな部屋着姿のサングラス男がにこにこ笑う。
私の真横でものすごく近いからその圧も凄い。




「ひたすら人の話聞かねぇし自分の話ばっかりだし中身ないしで疲れちまったよ〜。」




パンダ、ごめんね可愛い体から骨のバキバキ音がすごくなるまで苦労させて。




「……………おかか、」




左隣に座る棘はさっきからそれしか言わなくなったのでそうっと頭を撫でてやるともっとやれと言わんばかりに肩に頭を預けた。



「で、今聞いたようにお前ん家がすげぇ仲悪いのは理解出来た。……問題は別にある。」



『何でしょうか真希様』


「何で何も言ってくれねぇんだよ」



　

　
　
　
　
　

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