兎跳び ページ18
『ごめんなさい、大丈夫です。』
心配をかけてしまって、と笑う。
彼女の目が僅かに伏せられた。
『近いうちに高専に戻ります。任務もすぐ終わるものばかりですから。』
「……そうか、なら私もここを去ろう。」
そう言って彼女は部屋を後にした。
私は口角に痛みを感じて、また笑う。
無理矢理に笑みを作るからこういうことになるんだな、と自嘲気味に。
私はその後宣言通りに全ての任務を1日で片付けて次の日の昼には高専の、乙骨や真希達が稽古をする場に帰ってきた。
私の姿を見た真希はひどく驚いていた。
『や、真希。久しぶり。』
「ひ、久しぶりじゃ、ねぇんだよ!!」
そう怒鳴られて肩がはねた。同時に頬を叩かれた。今度はこちらが驚く番だった。
「お前なぁ!いきなり会えなくなるの、やめろよ!!こっちがどんな気持ちでいるか考えろよ!!馬鹿!」
『…え、と。ごめんね……?』
涙目で震える真希。彼女にへらりと笑って謝る。
彼女の口が何かを堪えるようにキツく固く結ばれた。
握りしめた拳が震えて、また殴られるのかと思ったがその予想に反して彼女は踵を返して歩いた。
去り際に一言、呟いて。
「私の知ってるお前はそんな風に笑わねぇんだよ。」
『真希が私の何を知ってるの。』
思わず言いそうになった言葉を飲み込んで彼女を黙って見送った。
これまで黙って私達を見ていた3人がわっと駆け寄ってきた。
「しゃけ?」
『あぁ、大丈夫だよ。』
「A〜心配したんだぞ〜おじさん。」
『パンダそんなに老けてないでしょ?まぁでも、心配かけてごめんね。』
「な、鳴瀬さん。あの、お話があるんですが…。」
『…はなし?』
乙骨がおどおどとそう言ってきたから首を傾げればひとまず五条のところに行こうとのことで、パンダと棘に『じゃあまたね』と言ってグラウンドを後にした。
「……なぁ、アレ誰?オレ知らないんだけど…。」
「……しゃけ。」
「だよなぁ…何か違うよなぁ…。」
403人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい!発作です!!嬉しがってくれて嬉しいです!(?)更新頑張ってください! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....?好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます!!! (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ!!!!!!好きです!もうっ!……ああっ!だいすき!! (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜!!嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます!!!もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い!!!!! (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです!私も乙骨くん推しなんですよ!もう作者様様です! (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しし。 | 作成日時:2021年1月1日 11時