兎跳び ページ16
女は走り去る。男はそれを気にせずこちらに歩いてくる。なんだ、リア充め。
…と、数秒前は思っていたが、あの女に興味はないとばっさり切り捨てたこの男に少しばかり興味を抱き、話をしようという提案に乗っかる。
私も是非聞きたいものだ、異性を誑かす方法を。
そうすればお金も違法に入ってくるか…て、法に触れることはなるべくしたくないな、うん。
「さっきみたいなのを見るのは初めて？」
『……いや。』
何を言ってるんだろう、と半笑いで眉を顰める。
そうすれば目の前の長身の男性も疑問符を浮かべるように首を傾げる。
これはこちら側が疑問を口にしなければ進まない展開か、と静かに息を吐く。
『初めても何も、皆に初めから見えているものでしょう？』
「………いや？」
『え゛っ。』
がちゃ、とドアノブが捻られ扉が軋む音がする。
外気が入り込んで、その寒さに少し身震いした。
夢からはとっくに覚めている。
「うわ、何で服着てねぇんだよ。下着で寝る派だったか？お前。」
『……いや。おはよ、真希。』
「おはよじゃねぇよ。さっさと起きろって。」
ベッドの端に蹲っていた私は突然入室した真希の手によって服を着せられ立たせられる。
乾いた唇をぺろりと舐めたら皮が剥がれかけていてぴりとひっかかった。
『真希、五条先生はいる？』
「あぁ、数時間後に任務は入ってるみたいだけどな。」
それなら丁度いい。
腕を摩って体温を少しでもあげようとする。
先程真希に顔色が悪いと言われてしまったから。
「そもそもそのバカにお前呼んで来いって言われたんだよ。何かしたのか？」
『いや…何も。それより乙骨憂太の稽古の件だけど、お願いしてもいいかな。』
「…？お前も一緒にやるんじゃなかったか？」
『ごめんね、しばらくは、ちょっと。』
この日から私は任務に出かけてばかりで、高専の寮に帰ることも授業に顔を出すことも無くなった。
体調は悪化した。元々あの夜から悪かったのに任務を無理矢理に入れてもらったから。
上のやつらは私を気に入ってる。
私の能力を育てたと言っても過言ではないから。
お気に入りが任務を求めていると聞けば、孫がおもちゃを欲しがるように可愛いと思いばかみたいにそれをくれる。
それを利用した。
結果的に忙しくなって、それでよかった。
そうでもしなきゃいけなかった。
そうした生活を続けて数ヶ月過ぎた。
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甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - しし。さん» はい！発作です！！嬉しがってくれて嬉しいです！(？)更新頑張ってください！ (2021年2月9日 16時) (
レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ほ、発作的な何かが起こってらっしゃる.....？好きなんてそんな、とっても嬉しいですありがとうございます！！！ (2021年2月9日 6時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひゃぁぁぁ！！！！！！好きです！もうっ！……ああっ！だいすき！！ (2021年2月8日 22時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
しし。(プロフ) - Arisuさん» うばぁ〜！！嬉しいですありがたや〜。乙骨先輩良いですよね...まじでリアコ製造機。大好きって言って頂きありがとうございます！！！もうしばらくこの作品にご付き合いくださ〜い！！！！！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 5f5d2e19fb (このIDを非表示/違反報告)
Arisu(プロフ) - この作品大好きです！私も乙骨くん推しなんですよ！もう作者様様です！ (2021年1月22日 7時) (レス) id: 5506a0fa2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しし。 | 作成日時：2021年1月1日 11時
