[EXO短編集] (ページ23)

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にしても、チャニョルはよく喋る

よくそんなにネタがあるね
感心するわ

逆に

私のネタの無さも凄いわ
チャニョルに話せる話なんて何もないよ

多分、今
口を開いたら愚痴くらいしか出てこないよ

だから喋らない
チャニョルの話に相槌を打つだけ
そして、ひたすら苦手なビールを流し込むだけ

「A、大丈夫？」
『何が？』
「すきっ腹でビールなんか飲んだら酔うでしょ？」

まぁね
しかも苦手だしね
正直立ち上がれないよ
でもいいの
このままソファで寝る予定だから
服も着替えてないけど
……明日休みだからいっか

『大丈夫』

「そのままだと服もシワになるよ？」
『いいの』
「窮屈じゃない？」
『大丈夫』

困ったように眉を下げるチャニョルが視界の片隅に入るけど
……ごめんね困らせて
でも、様子見に来ただけでしょ？
放っておいて

『チャニョル、何時までいるの？』

あ、この聞き方可愛くない
いつまでいるの？なんて

別に迷惑じゃないんどけど
このまま居られたら……

ほら、私の気分的にはドン底
近くに笑顔を向けてくれる人
ちょっと触れたくなんない？
わけわかんなくてもいいから
大丈夫って抱きとめて欲しくなる

でも、昔私を避けた人

きっと無理だし
一度甘えれたら依存してしまいそう

「俺、泊まっちゃダメ？」

『……は？』

「俺明日休みだし、Aも心配だし
おばさんにも報告しないとダメだし」

『……いや、意味わかんない』

「Aだって明日休みなんでしょ？」

チャニョルの視線は
私から外れた先のカレンダー

あ、久しぶりの休みだから書いたんだっけ

『チャニョル、彼女は？』
「ん？いないよ」

……もしかして、そういうこと？

こんな酔っ払って
寂しそうな女なら…

チャニョルだって男だもんね

人畜無害そうな顔して
笑顔振りまいて優しい言葉かけて

落ちない女なんかいなかったでしょ

今回はたまたま幼馴染みでってだけ

うちの母さんに言われて
まぁ、近いから？って事で様子見に来てくれて？
そしたら寂しそうな奴がいる
勝手に酒飲んで勝手に潰れそうだし？
ついでだから欲でも満たしてく？的な？

もう
会わないだろうし