一目惚れでした。【岩泉一】

･ ｰ岩泉sideｰ ページ32

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青城祭1日目。

クラスの出し物で隠れ役になった俺は、せっかくならガチで隠れてラスボスになってやろうと思いつき、空き教室のベランダへ出た。






…そろそろ30分経つ。誰も来る気配はない。
自分で隠れといてなんだけどつまんね、


「ふあ〜〜〜〜あ」





今日は久しぶりに晴れて、しばらく続いてた雨が嘘みたいにぽかぽか暖かい。

ぼーっと壁に寄りかかっていたら、
だんだん眠くなってきた、、



……そーいや あいつ風邪引いてねえかな、…











──── ん、？誰か、いる、、？


どれだけ時間が経ったか、目を覚ますとそこにいたのはA。

俺が起きたのに驚いた様子で、いきなり俺の方に倒れて──




「、っと…大丈夫か」


寝起きで頭はいまいち回ってなかったが、
咄嗟にAを受け止めた。


─── 肩に感じた温もりに、思わず身体が強ばる。
なんかいい匂いするし、思ったより小さくて柔い。

Aはすぐに離れたけど、感触が残ってる。





「…なんでここ分かった？」


Aの感触を忘れよう、と話題を変える。

みんな見つけるのを諦めてった中、ずっと俺を探し回ってたと聞き、学校中を駆けずり回るAを想像したら面白くて思わず笑っちまった。







─── 俺を見つけたのはAだけだったから、
特別にハンコ押してやろう、と思って邪魔なカチューシャをあいつの頭に乗っけた。

受け取ったカードにハンコを押して渡すと、


A「…へへ、ありがとう」


と嬉しそうに笑う。





ネコ耳付けたAは、俺ん家によく来る猫にどことなく似てる気がして、


── なんかすげえ… ぐああってなった。











その後、隠れ役のシフトを終えて教室に戻るなり
クラスの奴らからどこ隠れてたお前！！苦情殺到だぞ！！！？と詰められまくったのは言うまでもない。


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