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いつもより遅いからか、乗客も少ない電車の車内。

外を流れていくのは見慣れた景色のはずなのに、岩泉くんが隣にいるってだけで違って見えるから不思議だ。



岩「眠ぃな」

「だね、」

大あくびをする岩泉くん。つられて私も大あくび。

岩「でっけえあくび、」

「…人のこと言えないでしょ。」




顔を上げると、向かいの窓に映る私たちが目に入った。

少し前までは全然知らない人だったのに、今ではこうやって隣に並んでからかいあったりしてる。


…うっ、やばい顔がにやける。



「……次で降ります」

岩「おう」








駅を出て、家に向かって歩く道。

街灯の光に照らし出される岩泉くんの横顔は、やっぱり誰よりもかっこいい。



「…あそこの角曲がったら家だから、」

岩「ん」


あの角を曲がったら岩泉くんとバイバイ。

「(……あれ、急に寂しくなっちゃった、)」




岩「…A?」

突然立ち止まった私に、岩泉くんも足を止める。


もっと一緒にいたい。
そんなこと言えるはずもなく、よくばりな本心をぐっと押し込めた。





「あの、…私、岩泉くんともっと仲良くなりたい、!」





─── 私、岩泉くんのことたくさん知りたいよ。

誰かから聞くんじゃなくて、岩泉くんと話して一緒に過ごして、ちょっとずつでいいから、仲良くなれたら。





岩「、え」

「…ご、ごめん急にキモいよね、!!!」


岩「いや」

照れくさそうに頭を搔く岩泉くん。




岩「、俺も同じこと思ってた」



「…え、?」

岩「…Aのことまだ全然知らねーからな。」





…岩泉くんも私と仲良くなりたいと思ってくれてたの?

うわああ……めっちゃ嬉しい、







岩「あー……てことでこれからもよろしく。」

「っこちらこそ、!」








─── 体育祭で一目惚れした男の子。

あの時は遠くから見てただけだった彼との距離がぐっと近付いた気がした。





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風花 - めっちゃいいお話ですね推しがテーマでキュンキュン×2でした (12月10日 19時) (レス) @page46 id: e49a6fb07b (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - 初めまして美羽です一目惚れでした。読みました続きを楽しみにしてます! (10月11日 1時) (レス) @page13 id: 3d5ecef508 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:心晴 | 作成日時:2023年10月6日 0時

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