一目惚れでした。【岩泉一】

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来る2月14日。
朝からソワソワ、どうにも緊張して落ち着かない。



凛「おはよーA。どしたのそんなに震えて」

「…武者震いだよ？」

凛「ただ震えてるだけでしょ」



机の横に掛けた紙袋には、昨日夜遅くまでかけて作ったチョコチップスコーン。

岩泉くんが前に甘いの苦手って言ってたのを思い出して、甘さは控えめにした。ラッピングも何度もやり直してやっと綺麗にできた。今朝も満員の電車の中、潰されないよう必死に守って来た。



─── 喜んでもらえるかな、








昼休み。私は凛と松川くんと一緒にいつも通り屋上に向かった。
ドキドキして紙袋を持つ手にも力が入ってしまう。



花「おーっす。」

岩「よぉ、」

…花巻くん、紙袋ちらちら見すぎ。




「……あの、さ。いつもありがとうってことで、お菓子作ってきたから、よかったらどうぞ…！！」



岩泉くんに意識してもらう作戦だけど、いつも私の恋を応援してくれてる3人にも感謝伝えときたかったんだ。


花「まじかよやったー！！！」

松「ありがと〜。おー、うまそ」

凛「きゃ〜ありがとうA！」

よかった、みんな喜んでくれた。


…でも気になるのはやっぱり、岩泉くんの反応。







岩「これ、今食ってもいいか？」


お弁当だけじゃ物足りなかったのか、ラッピングをペリペリ剥がし出す。
ちょう二等辺三角形だな(？)となぜか形を褒めた後、口いっぱいにスコーンを頬張った。



もっきゅもっきゅ、無言で咀嚼する岩泉くん。

…おいしくなかったかな、




岩「…んま」



岩泉くんが呟いたのを、私は聞き逃さなかった。
うまいって言ったよね、？！！

っはああ良かった！




松「岩泉が甘いもん食ってんの見んの初めてかもな」

花「たしかに。このままお前も甘党になるか〜？」

岩「ならん。けどこれはすげぇうまい。…さんきゅ」





……嬉しすぎる。毎日でも作るよ？？？








人生で初めて、好きな人へのバレンタイン。
勇気出して渡してよかった、！！


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