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21.招かれざる客 ページ21

「ここが僕が持ってるホテル。」
「‥‥な、なにこれ。」
車に乗ること1時間。到着したのは、敷地がどこまでか分からないほど、とてつもなく大きな規模のいわゆるリゾートホテル。大小異なる10棟程の建物があちこちに建っている。

そのなかの一番大きな建物の前で車が止まった。
薮が運転席から降りようとすると、侑李が、大丈夫だからと言って自ら車から降り、彼女の手をとってエスコートする。

フロントに入るなり、従業員が一列に並び、ぺこぺこと頭を下げた。
「もう、気にしなくていいから仕事戻って。お客様いらっしゃるでしょ。」
鶴の一声で、並んでいた従業員が一瞬で元の位置に戻る。
それを確認するなり、侑李は彼女を再びエスコートしていく。行き先はもちろん、侑李が普段過ごしている最高級スイートルーム。


「さ、着いたよ。」
「うわぁ‥‥綺麗。」
部屋に入って最初に目に入ったのは、大きな窓から見える、夕暮れの光に照らされた街並み。
「ここから見る景色、気に入ってるんだよね。」
「いいなぁ、毎日こんな素敵な景色見てるんだ。」
「何言ってんの、Aもこれから毎日になるんだよ。」
驚いた彼女が振り向くと、そうでしょ、と穏やかに微笑む侑李。

「あ、そうだ。奥の部屋で着替えておいで。」
「ん?」
「いいから。」
不思議がっている彼女の背中をとんと押す。
分かった、と渋々部屋に入る彼女。
すると、
「‥‥うわ、綺麗。」
目に飛び込んできたのは、黒いイブニングドレス。橙色の光に照らされ、時折光沢を放っている。その輝きに導かれるように彼女はドレスを手に取った。








「侑李、着替えたよー。」
部屋の扉からこそっと顔を覗かせる。
が、返事が返ってこない。
「侑李‥‥?」
不審に思い、おそるおそる歩を進める。すると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「ーーーー意外と身近にいてびっくりだよ。まさか自分の店の店員だったとはね。」
「僕はバレてなかったことにびっくりですけどね。」

侑李と向かい合うように立っていたのは、
「‥‥あ、A。」
「け、慧‥‥なんで」
「魔法使いが本気出したらこんなの簡単だよ。」
すごいでしょ、と得意気な顔。しかし、彼女の格好を見てすぐに怪訝な表情を浮かべた。

「ねぇ、有岡は」
「大ちゃん?ああ彼なら、」
こっちにいるよ、と慧が視線を向けた方向に目を配る。すると、
「‥‥有岡!?」
そこにいたのは、とろーんとした表情で、ソファにゆったりと座っている執事だった。

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作者名:日和 | 作成日時:2020年11月22日 18時

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