感情回収、記憶抹消いたします。 (ページ2)

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2.全ての始まりページ2

「待て待て待て、何考えてる」
「見れば分かるでしょ。あ、でも撃つのは僕じゃなくて」
Aだけどね。
そう言うと、繋がれていた鎖が解かれる。
そして、間髪入れず私に銃を握らせてきた。

恐怖のあまり声が出ず、目だけで有岡に訴える。が、当の本人も困惑していてその場から動けない様子。
「いいかい。一度しか言わないからよく聞いてて。今から、Aに選んでほしいことがあるんだ」
彼の長い指先が肩に触れた。

「大ちゃんに当てて自由になるか、
自分に当てて身代わりになるか。
どっちか選んで、この場で。」
「‥‥え、」
「お嬢様は関係ねぇだろ！！お前さ」
「あー、もう黙っててよ。‥‥ていうか」
いっそ黙らせたほうがいいか。

銃を握らされている手がゆっくりと包み込まれ、そのまま有岡に銃口を向けた状態にされてしまった。

「お嬢様、」
「あ、ありお、か‥‥いや、だ‥‥」

震え上がる私を目の前にして立つ有岡。
一瞬、何かを考える素振りを見せると、
避けるどころか、まるで当ててくれとでも言っているかのように、どんどんこちらに近づいてきた。

「まって、よ‥‥なん、で」
「ぶらぼー。期待以上。やっぱり大ちゃんすごいや。」
「いや、だ‥‥私、ありお、かが、いなく、なったら」
「そう仰ってくださるなら後悔はないですよ。」
こんな非常事態なのに、にこっと笑みを浮かべる有岡。

「いのちゃん、」
「ん？」
「あとでちゃんとお嬢様解放しないと呪うからな」
「はいはい、」

____そして、何の迷いもなくその引き金は引かれたのだった。