34話 ページ35
Anijya side
その日は朝から体が重くて気持ち悪かった。
弟者にも心配されたが、あまり迷惑をかけたくなくて大丈夫だと言い張った。
おっつんは俺の顔を見て事情を察したようだけど、面倒事に関わりたくないのか、はたまた俺の気持ちを汲んでか何も言わないでくれた。
それは俺にとっては凄く有難いことで、こうやって熱にうなされる時は大抵一人でどうにかする。誰にも頼りたくない。誰かにこの弱い姿を見られたくない。
いつだって、俺は人の目を気にしていた。
優秀な弟、心強い仲間。
じゃあ俺には何がある？俺のいい所、そんなの考えたところで答えは一向に出てこない。
復讐に捕われた男なんて言われ、俺に残るのは復讐だけだと知った。
それからというもの、Aという女を必死に調べて着々と計画を練った。
でも、一つだけつっかえるのはこれが終わったら俺には一体何が残るかという事。
この復讐が終わってしまったら、俺には何が残るんだ？
人から何かを言われるのが怖い。
存在意義を否定されるのは死ぬのと同じだ。
「っくそ…、吐きそうだ」
誰かに傍にいてほしいのに、その誰かがいない。頼りたいのに頼れない。
もっと俺を理解して否定しないでほしいのに、いつだって世間は俺に厳しい。
唯一理解してくれたのは親だけで、その親だって今はもう居ない。
だから出会ったAに厳しく当たった。
こいつのせいで理解してくれた両親は死んだ。
こいつさえいなければ、俺はこんな苦しまずにすんだんだ。
そうやって溜め込んだのが悪かったのだろう。
風邪を引いたのは随分と久しぶりだった。
部屋におっつんと弟者がやってきて、買い物に行くと言った。
着いてくるかと聞かれたが答えは勿論NOだった。
ベッドに寝転ぶと蘇るのは優しかった両親の笑顔。
こんな時はよく思い出す。
そうやって過ごしてどれくらい経っただろうか。
廊下から微かに聞こえた嗚咽に気づいて体を起こす。
そういえば、2人だけで買い物に行ったんだと頭の隅で考えて廊下に顔を出すと、そいつは胸あたりを手で押さえて廊下に座り込んでいた。
何してんだこいつ、
「おい」
肩に触れようとして、様子がおかしいと気づく。
こいつ、まさか
不規則な呼吸、漏れる嗚咽と時々聞こえる「くるしい」「いき」などの単語から分かるのはこいつが今過呼吸になっているという事。
熱のせいか正常な判断が出来ない。
気づいたら、そいつに触れていた。
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北海ユキノコ(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！頑張って下さい！応援してます！ (2023年2月20日 17時) (
レス) id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
北海ユキノコ(プロフ) - いつも、ワクワクしながら読んでます！ (2023年2月20日 17時) (レス) @page41 id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ばおばぶさん» コメントありがとうございます…！何度も…！！本当にありがとうございます。これから登場人物も増えていく予定ですので、お楽しみくださいませ！！ (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - konbu_3723さん» コメントありがとうございます…！とても嬉しいです…、リアルの方でバタついていたのもありそのお言葉で涙が出てしまいました。更新頑張ります。暑い日が続いてます。konbuさんもどうかお体に気をつけてください。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
ばおばぶ(プロフ) - 御三方にハマってから占ツクでこちらのお話を見つけて実は何度も見に来ていたので更新とても嬉しいです！！今後の展開も楽しみです(*´﹀`*) (2022年3月26日 2時) (レス) @page38 id: 656b6dd078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2019年3月7日 18時
