14話 ページ15
肩を揺さぶる振動、そして優しい声に導かれて私は暗闇から目覚めた。まず最初に目に入ったのは私の顔を覗き込むおついちさんの顔で、ラフな格好の上に新芽のような色合いのエプロンを付けている。おまけに、顔にかかる髪の毛をピンで固定していた。
「大丈夫？」
『ぉ…ついち…さん』
信じられないくらい掠れた自分の声が部屋に響く。
水の入ったコップが差し出され、受け取るためにソファから上体を起こそうとするとそっと背中に手が当てられた。ゆっくりとだが体を起こしていく。
腰が痛い。それに加えて頭がぼんやりして気持ち悪い。
苦悶の表情を浮かべていたのがバレたのか、背中を支えていた手が静かに撫でてくれる。
「ゆっくりでいいから」
うう、優しさが沁みる…
私は心配をかけないよう、出来る限りの笑顔を向けた。
『私はだいじょ……ぅ____え？』
な、んで…
途中で言葉を区切ってしまった私をおついちさんが不思議そうに見つめている。
そんな私の視線は彼の後ろに向いていた。
どうして、と言葉が上手く出てこずにまるで金魚みたいに口をぱくぱくと動かす。
そのあまりに奇妙な動きに、私の視線を追ったおついちさんが大きな溜息を零した。
そしてコップを握る私の手ごとその温かい手で包み込み、真っ直ぐと目を見つめてこう言う。
「大事な話をするから、まずは昼ごはんを食べようか」
そうは言っても気になるものは気になる。
チラリと盗み見るが、やっぱりあの"血塗れた兄弟"だ。
ガーネットのような瞳を持つ男と、サングラスをかけている男。
確かサングラスの方は、私に……
ジクリと疼く横腹を押さえる。
思い出したら激しい吐き気に襲われた。
それでもどうにか食卓につくと、私の隣におついちさんが、前にはガーネットの彼が座った。
テーブルに並べられたのは子供が好きな唐揚げからハンバーグなど様々で、これでもかというほどてんこ盛りに料理が置かれている。
おついちさんが言うに「Aちゃんが好きそうなのを考えてたらこんなにも作ってた…」らしい。男3人なら案外この量も少ないのかもしれないけれど。
沈黙に耐えきれなくなったのか、サングラスの彼が話の口火を切った。
「もうおっつんに聞いてると思うけど、血塗れた兄弟の兄の方で、名前は兄者だ」
さほど興味がないのか私の方を見もせずに彼はそのまま口を閉ざした。正直に怖い人だと思った。同時にやっぱりこの人は私が殺したいんだとも。
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北海ユキノコ(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！頑張って下さい！応援してます！ (2023年2月20日 17時) (
レス) id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
北海ユキノコ(プロフ) - いつも、ワクワクしながら読んでます！ (2023年2月20日 17時) (レス) @page41 id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ばおばぶさん» コメントありがとうございます…！何度も…！！本当にありがとうございます。これから登場人物も増えていく予定ですので、お楽しみくださいませ！！ (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - konbu_3723さん» コメントありがとうございます…！とても嬉しいです…、リアルの方でバタついていたのもありそのお言葉で涙が出てしまいました。更新頑張ります。暑い日が続いてます。konbuさんもどうかお体に気をつけてください。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
ばおばぶ(プロフ) - 御三方にハマってから占ツクでこちらのお話を見つけて実は何度も見に来ていたので更新とても嬉しいです！！今後の展開も楽しみです(*´﹀`*) (2022年3月26日 2時) (レス) @page38 id: 656b6dd078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2019年3月7日 18時
