13話 ページ14
スルッと手の中から滑り落ちそうになる包帯をギリギリのところでキャッチし、元凶である弟者を睨みつける。
こいつは、またとんでもねぇ事いいだしやがって
「何でそうなるのよ」
「だって、凄く愛おしそうに見てるなぁって__でも殺すけどね」
にっこりとなんの穢れも知らぬ少年のように無邪気に微笑んでみせた弟者に寒気がする。どうしてこうも復讐に囚われてるのか。
弟者には極力近づけないようにしないと。
誤って殺すなんて事はコイツに限って有り得ないだろうけど、念には念をしとくべきか。
「もういいだろ。お前らも昔使ってた部屋がまだそのまんまだから、今日はそこで寝てくれよ」
Aちゃんは下手に動かさない方がいいだろうし、今日だけはソファに寝かせる事にした。
俺が隣で寝れば襲撃から対処できるだろう。
ぶつくさ文句垂れてる兄弟を追い出そうと立ち上がりかけた時、グイッと首を引っ張られる。
やべ、と思った時には遅くて自分の下にAちゃんがいた。その細く白い両腕が俺の首に回されているのだ。
慌てて退こうとする俺をさせまいと腕に力がこもって更に接近する距離。
何このイベント？兄弟の方を見たいけど見れない。俺殺されちゃう
「Aちゃん？」
そう問いかけるもその赤い唇は動かない。
ふいに、瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
それは耳の方に伝っていき、やがて髪の毛を濡らしていく。
だけどそれはほんの一瞬の出来事で、次の瞬間にはAちゃんは小さな寝息をたてて眠っていた。
首に回っていた腕も力をなくして重力に沿うようにソファに落ちる。
そっと頬についた涙の後を指先で拭い取って離れる。
色んな事、その小さな体で抱え込んで
はっきりとした意識のないその状態でやっと涙を流したのか？
思った以上に、この子は脆いのかもしれない。
俺が護らなきゃ。俺しか出来ないことなんだから。
「さて！もう朝方だからなぁ、今日はお昼まで寝るとするか」
「おっつんが…？」
「昼まで寝るだと…？」
二人に信じられない、と言う顔をされてさっさとリビングから追い出す。
Aちゃんを狙うのは、何もこの兄弟だけじゃない。あの薬によって狂わされた人間は大勢いるはずだ。
「護りきれよ、俺」
気合いを入れるよう、拳を強く握りしめた。
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北海ユキノコ(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！頑張って下さい！応援してます！ (2023年2月20日 17時) (
レス) id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
北海ユキノコ(プロフ) - いつも、ワクワクしながら読んでます！ (2023年2月20日 17時) (レス) @page41 id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ばおばぶさん» コメントありがとうございます…！何度も…！！本当にありがとうございます。これから登場人物も増えていく予定ですので、お楽しみくださいませ！！ (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - konbu_3723さん» コメントありがとうございます…！とても嬉しいです…、リアルの方でバタついていたのもありそのお言葉で涙が出てしまいました。更新頑張ります。暑い日が続いてます。konbuさんもどうかお体に気をつけてください。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
ばおばぶ(プロフ) - 御三方にハマってから占ツクでこちらのお話を見つけて実は何度も見に来ていたので更新とても嬉しいです！！今後の展開も楽しみです(*´﹀`*) (2022年3月26日 2時) (レス) @page38 id: 656b6dd078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2019年3月7日 18時
