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2話 ページ2

『…?』




想像していた痛みは一向にやって来なかった。
もしかして私、気付かぬうちに死んでしまった…?
瞑っていた目をおそるおそる開ける。
暗闇に慣れ始めた目は、地面に伸びる男をぼんやりと映した。



『ぇ、あの…だいじょうぶ、ですか?』



人間、不思議なもので今しがた自分を殺そうとしていた相手でも、倒れていれば心配してしまう。


とにかく救急車を呼ぼうと机の上に置いてあったスマホに手を伸ばした。


が、



「へぇ、この男助けちゃうの?」
『っ!だ、誰!?』



私のスマホを持ち上げたのは別の男で、驚いた拍子に咄嗟に手に取ったのは、床に伸びていた男が持っていたナイフ。

目の前の男はちらりと私を見る。
その目はこんな状況下でも楽しげで、恐れなど一切感じさせなかった。



「なぁに?それで僕と戦うつもり?」
『そ、れは…』



目深く被られたハットの隙間から覗く瞳に捕らわれる。ナイフを持つ手が震えた。



「せっかく君を助けてあげたのに。まぁいいや、一つだけ忠告しに来たの。君、"血塗れた兄弟"に狙われてるから気をつけた方がいい」
『血塗れた兄弟…?』
「そ。素性も顔も分かってない。ただ、その兄弟に会ったら生きては帰れないって噂」
『なんで、私が狙われてるんですか』



身に覚えがない訳では無い。
かといって私が狙われる理由にはならないはず。



「うーん、まあね。君は悪くない」



ふっと細められた目。
彼は小さく「君の父親が、人を殺してしまったからね」と続けた。

そして次に発した言葉に首を傾げることになる。



「どうしてだと思う?」




その質問に私は固まった。
どうして?そんなの私が一番聞きたい。
あんなにも優しかった父が、なぜ酒に酔ったくらいで人を殺めてしまったのか。



「こんな噂を耳にしたんだ。今とある"薬"が出回ってるらしい。なんでも、その薬を飲めば強靭な肉体を手に入れれるとか。知ってるかい?君のお父さんって有名な組織の幹部だったってこと」



にこりと効果音の付きそうな笑みを浮かべられたが、脳の処理が追いつかない。

ちょっと待って、この平和な世界でそんな物騒な話を聞くとは思わなかった。しかも、自分の親が関わってるなんて。
混乱する頭を必死に整理させ、ナイフを今一度強く握りしめる。



『えっと、つまり…私の父がその薬を服用したと?』
「ぴんぽーん!んー、実際には彼は幹部兼運び屋だったわけだけど」
『運び屋…』



それから、次々と訳も分からない説明が繰り広げられることとなる。

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北海ユキノコ(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます!頑張って下さい!応援してます! (2023年2月20日 17時) (レス) id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
北海ユキノコ(プロフ) - いつも、ワクワクしながら読んでます! (2023年2月20日 17時) (レス) @page41 id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ばおばぶさん» コメントありがとうございます…!何度も…!!本当にありがとうございます。これから登場人物も増えていく予定ですので、お楽しみくださいませ!! (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - konbu_3723さん» コメントありがとうございます…!とても嬉しいです…、リアルの方でバタついていたのもありそのお言葉で涙が出てしまいました。更新頑張ります。暑い日が続いてます。konbuさんもどうかお体に気をつけてください。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
ばおばぶ(プロフ) - 御三方にハマってから占ツクでこちらのお話を見つけて実は何度も見に来ていたので更新とても嬉しいです!!今後の展開も楽しみです(*´﹀`*) (2022年3月26日 2時) (レス) @page38 id: 656b6dd078 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819  
作成日時:2019年3月7日 18時

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