1話 ページ1
『あーまたか…』
買い物帰り、アパートの階段を登り切った先に見えたのは我が家の悲惨な扉の姿。
沢山の張り紙に書かれているのはどれも「死ね」だの「人殺し」だの…。
よくもまあ飽きもせず1年間続けられるなぁ、と最近では悲しみや怒りよりそういう感情が生まれるようになった。
それら1枚1枚を剥がしていき、家の中に入る。
この被害が始まったのは丁度1年前
金遣いが荒かった父が酒に酔った勢いで人を殴って殺害した。父はそのまま牢屋行き、残された私と母は毎日かかってくるイタズラ電話などに怯えながら暮らす事となり、つい先日、ついに耐えきれなくなった母が手紙を残して家と私を捨てた。
それからというもの、罵詈雑言を受けながらもバイトを続けてこのボロアパートに何とかへばりつくように生活を送っている。
そんな生活を送っているので、当然学校には通えずじまい。
泣く泣く退学届けを提出し、今に至る。
バイトは楽しいし自分の時間が手に入ったのも嬉しい。
けど、親がいない生活というのは少しだけ寂しいものだと思う。
『はぁ…そのうち私殺されるんじゃないかな、ご遺族とかに』
サスペンスドラマの被害者のように、私もいつか暗殺者とかに殺されてしまうかもしれない。
それならいっそそうして欲しいと願うのはワガママだろうか。
いや、死を待たずとも自分で死ぬことなんて容易い
リビングの隅に追いやられていた麻縄を見る。先日躍起になって買ってきた。その時は怖くて結局やめてしまったけど。
手に取ってみると、ずっしりとした重みに脂汗が滲む。
テレビの音量は変えていないはずなのに、何故か小さく聞こえた。
耳に響くのは自分の心音のみ。
クローゼットの衣装掛けにロープを結び、もう片方を自分の首にかける。
あとはこの足を滑らせればきっと私は解放されるのだろう。
もう、苦しまなくても……
___ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ
『っ！』
ハッと気づくと、尋常じゃない汗をかいていた。
慌ててロープを離して玄関に向かう。
この時はどうも気が動転していたらしい。
いつもはイタズラじゃないか覗き穴から確認するのに、それをせずにドアを開けてしまったのだ。
「こんばんは」
ドアを開けた先に立っていたのは黒ずくめの男の人で、見覚えのない人物に首を傾げた。
しかし、その手に握られている鋭利な刃物を認識した途端、体が震え上がった。
ころ、される
瞬時に扉を閉めようとしたが時既に遅く、男が伸ばした腕に捕まって部屋に押し込まれてしまう。
目前にまで迫る刃物は、なぜだかスローモーションに見えた。
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北海ユキノコ(プロフ) - 続きを楽しみに待ってます！頑張って下さい！応援してます！ (2023年2月20日 17時) (
レス) id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
北海ユキノコ(プロフ) - いつも、ワクワクしながら読んでます！ (2023年2月20日 17時) (レス) @page41 id: cfe4c19063 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ばおばぶさん» コメントありがとうございます…！何度も…！！本当にありがとうございます。これから登場人物も増えていく予定ですので、お楽しみくださいませ！！ (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - konbu_3723さん» コメントありがとうございます…！とても嬉しいです…、リアルの方でバタついていたのもありそのお言葉で涙が出てしまいました。更新頑張ります。暑い日が続いてます。konbuさんもどうかお体に気をつけてください。 (2022年6月20日 0時) (レス) id: 670de1abda (このIDを非表示/違反報告)
ばおばぶ(プロフ) - 御三方にハマってから占ツクでこちらのお話を見つけて実は何度も見に来ていたので更新とても嬉しいです！！今後の展開も楽しみです(*´﹀`*) (2022年3月26日 2時) (レス) @page38 id: 656b6dd078 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作者ホームページ：http:/http://commu.nosv.org/p/tensan819
作成日時：2019年3月7日 18時
