19話 ページ19
何かが私に体当たりした。
勢いよく吹き飛ばされて地面を転がる。すぐ横で地面にヒビが入る音がした。
おそるおそる目を開けると、私の顔の横に左右の手がつかれていた。
その先にいる人に、私は口をパクパクと開閉させる。
「全く……何で君はそう危なっかしいんだ」
「ニュー、ト」
ごめん、と謝るニュート。
私の頬を割れ物を扱うように触る。チクリとした痛みに、頬を切ったのだと気づく。
おまけに忘れかけていた手首の痛みが戻ってきて、痛みに顔を歪めた。
それをどう受け取ったのか、ニュートが口を開こうとした____が、
「A…？」
「ごめん、なさい……」
私は腕で目元を隠した。
じわり、と滲んだ涙が服に吸収される。
一度泣いていると認識したら、涙は止まる事を知らず流れ続ける。
嗚咽が漏れて、きっとこの腕の先でオロオロとしているであろうニュートに申し訳なかった。
動物の威嚇するような声が耳に入ったが、動く気にはなれなかった。
ここを離れたら、きっとこんな感じには二度とならないんだろうって、よく分からない感情が押し寄せて自分が分からない。
動物を何とかしようと腕が離れるのを感じて、慌てて袖を引っ張った。
「いかないで…おねがい」
ニュートが困ったように眉を顰めてるなんて、見なくても分かる。
「分かった」
ただその一言、そう言われた瞬間
世界が洗濯機で回されたみたいに歪んだ。
最後に見えたのは獣がこちらを睨む瞳で、爪が私の目先を掠める。
ﾋﾟｯと血が目の前を弾け飛んだ。
気づいたら私は柔らかい毛布の上にいて、相変わらずニュートが私の顔の横に手をついている。さっきと違うところといったら、左目が開かない事と、誰かの叫び声が部屋に響いていることだ。ニュートの声も聞こえる気がするが、叫び声が邪魔でよく聞こえない。
喉が痛くて、呼吸が苦しくて
「A…！大丈夫だから、今、治すから…！」
ハッキリ聞こえたその声は、震えていて
叫んでいたのは、自分だったと理解した。
世界が紅い色に染まって、眩い光が部屋を照らした後は、もう何も見えなかった。
チクタクと時計の進む音が聞こえる。
もう声は出なかった。ただ、後悔ばかりが押し寄せる。
あの時、自分がニュートの言うことを聞いていたなら
ゆっくりと指先で目元を拭う。
乾いた血の感触が気持ち悪かったが、左目だけが真っ暗になっていた方が、もっと気持ち悪かった。
ニュートの泣きそうな瞳が右目で見えて、
ごめん、
そう聞こえたような気がした。
__あぁ、やっぱり
私は、左目を"無くした"。
続く (更新停止中)
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莉亜 - 今日 映画みてきましたああああああ！ニュートかっこよかったあああ！です！ (2018年12月23日 21時) (
レス) id: 0b051a452c (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き(プロフ) - 豆犬さん» こちらこそコメントありがとうございます！映画行ってきましたー！！どんな形であれ、一度は観て欲しい映画です！ (2018年12月3日 16時) (レス) id: 528c8409e6 (このIDを非表示/違反報告)
豆犬(プロフ) - 返信してくださり、嬉しかったです...！って映画観に行ったんですかあああ!?!?()← 羨ましすぎますw 私は観れそうにないのでDVDを待とう(真顔) (2018年12月3日 1時) (レス) id: 7127065132 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き(プロフ) - 谷桐さん» 谷桐さん初めまして！あああああっ！貴方様もですかぁ！ここは沢山の同志がいて素晴らしい所ですね…(´；ω；｀)ニュートさんのカッコ良さを表現できるよう頑張ります！ (2018年12月2日 17時) (レス) id: 528c8409e6 (このIDを非表示/違反報告)
谷桐(プロフ) - 私もハマってしまった1人です…（笑）。ニュートがもうかっこよすぎて！小説更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年12月2日 16時) (レス) id: d68a053c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこ焼き | 作成日時：2018年12月1日 4時
