子犬みたいな彼 (ページ1)

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｢お疲れ！またね～！！｣

　

　

金曜日の午後22時。

　

お酒も進んで盛り上がってきた頃、

お酒が弱い私はもうここでさようなら。

　

　

｢ふぅ、ちょっと楽になったかも、｣

　

　

もうすっかり寒い季節になったから

こんな時間は肌寒くて肌に刺すような冷気。

　

早く帰ろ、
そう思いさっきより少し足を早めた時、

　

　

＿＿＿＿｢ …… なあなあお姉さん、僕のこと拾ってくれへん？｣

　

　

…… え、何？

　

目の端にいるその男の人は

いきなり … ってかなんでロンティ1枚？

　

　

｢ … いやあ、その私そういう事に興味なく … ｢俺お姉さんがいいの！！｣

　

　

真っ直ぐな眼差しで

いかにも変出者な彼だけど、何処か愛でたくなるようなそんなタイプの人で。

　

酔ってた勢いなのか

ただ人の温もりが欲しかっただけなのか、

　

　

　

｢ …… 俺、向井康二26歳、やねんけどわからん？｣

｢ …… え？｣

向井｢いや、わからんのやったらいいねん！｣

　

　

〝テレビ見てないのかこの子、〟

　

そう言ってる彼の言葉がわからなくて、

　
だけど彼にとっては好都合だったみたいで私がわからないってわかってからずっとニコニコ、

　

　

｢とりあえず、
もうすぐそこだからどうぞ？風邪ひくし、｣

向井｢ええの？｣

｢いや来たくないなら別に … ｢いや行く！！｣

　

　

　

きっと酔ってるから正確な判断出来ないだけ、

　

なんて自分にとって都合いいように考えて
関西弁でちょっと変だけど子犬みたいな彼を連れて、

　

　

｢ …… いいのかな、｣

　

　

嬉しそうにニコニコまだしてる彼を横目に

すぐそこにある自分の家へと足を進めた。