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103話もったいないページ13

俺が涙を流すなんて久しぶりだ。しかもその相手がウボァーギンとは思わなかった。このままだと記憶を全て思い出したときはどうなっているのだろうか。正直想像できない。なんか、高いところから景色を見たいな。今仕事だろって？大丈夫、元々する気ないから。

上の階に進むとものすごい血の臭いが濃くなってきた。恐らく、クロロに殺されたのだろう。あれかな？クロロの手刀見抜いた人。かなりの実力者なのにもったいない。あのクロロに能力を使わせたんだぞ、……あれ？そう思ってるの俺だけ？

さらに進むと体の一部が床に落ちていた。この人が……｡可哀想に相手が悪かったな、冥福をお祈りしよう。

そのまま俺は窓が空いてる場所へ移動する。この位置から見ると案外綺麗に見えるな。鎮魂曲とはよく言ったもんだ。ところどころから大きな爆発音や銃声音、人の悲鳴などが聞こえてくる。

『ウボァーさん、安らかにお眠りください。』

そして、その場をすぐ去ろうとすると電話がかかってきた。

『𓏸𓏸か、どうした？』

「ごめん、A。実はボスが捕まっちゃって……」

『それはどういうことだ？クロロなら既にこちらで暴れてるし、別のやつらか？』

「実は私たち全員、クロロに気絶させられちゃって……｡さっきまで知らない所に閉じ込められてたの。私の能力で全員移動させて脱出出来たのが今ってこと。そっちにボスが倒れたから戻ってこいっていう連絡は来てない？」

『今のところないな、たぶんクラピカが戻っているんだと思う。しかし意外だな、クロロがそんな強行手段に出るなんて……』

「まぁ、私が結構ガチで警戒してたからそれしか手がなかったのかもね。私以外は姿も見てないらしいよ。」

『もしかして、結構ガッツリ戦闘した感じか？』

「そうね、クロロの手刀を避けて、そこからは5分ぐらい続いたかな？その後、よく分からん能力で眠らされた。」

『……お前、やっぱり強いよ。なんでそんなに自分を卑下できるのか意味がわからん。』

「厄介事に巻き込まれないためにきまってるでしょ！」

『今まさに厄介事の渦の中に両足突っ込んでるけどな。……とりあえずわかった。𓏸𓏸は無理するなよ、向こうから連絡があったら俺もボスの方へ行く』

「わかった！」