43話 核弾頭 ページ43
俺はまず近接戦闘を試みる。素手で攻撃を仕掛けるが、軽くいなされる。その中で、神経毒の塗られている針も素手の戦闘で混ぜながら投げるが避けられる。相手からの攻撃がない。これは遊ばれてるな。だが、隙がない。やはり、強い相手は、馬鹿みたいにガバガバな隙を作らないか。こういうタイプは、わざと隙を作り俺を誘導するっていう可能性もある。俺は距離をとる。
ー
そして、
俺は煙玉を投げ、視界を遮らせる。今の内に5kmぐらい離れる。そして遠距離タイプの呪具をつくる。核弾頭。それを小型化して、肩で背負うことができるタイプである。弾に呪力を込め、発射する。これを使うのは初めてであり、実験台としてあの男を使った。この洞窟は割と広く、あの馬鹿みたいな威力に呪力を込めればこちらも危ない。言わずもながら威力は、特級。急所に当たらずとも即死。俺は体を、特に肩を呪力で強化し、撃つ。その際に200mほど体が吹き飛んだ。
煙が晴れた先には誰もいなかった。やれたとなると嬉しいが、多分逃げられただろうと推測する。アイツらのところに戻るか、そう思い立ち上がる。そして、この洞窟を抜ける道を探そうとすると額を人型に近い呪霊に人差し指で触られる。
「これは凄い威力だね。当たったらさすがに死んでたかな?」
触られた額に激痛が走り、俺は倒れてしまう。何か術式を刻まれたようだ。俺の後ろから呪詛師の男が現れる。
「私の術式はね、呪霊操術。取り込んだ呪霊を操作することができる。彼はね、そのうちの一体。なんと、受けた相手は転移してしまうんだ。もちろんただの転移ではない。君の魂と体の原点である場所に飛ばすんだ。この術、いったいいつ使えばいいのかとおもったけどとっといて正解だったよ。あ、多分だけど君はあと3時間後にはこの世界からとんでるから。さようなら、君にもう会えないのは残念だ」
そして、呪詛師の男は去っていった。
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作者名:れい | 作成日時:2023年2月7日 2時