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運命の灯火,37 ページ37

◯。運命の灯火



やっと怪我が治り、師範のお屋敷に
住むことになった
その日は師範がお迎えに来てくれて
継子の人達はいなかったして

屋敷に着くまで走った
ずっと走った
でも、まだ着かなくてヘトヘトだった

山を幾つ越えただろうか
分からないくらい山道で、
空気が薄くなるくらいてっぺんまで登ったり
傾斜が急で足を滑らせたら終わり
なんじゃないか
と思うところも走った
危険と隣り合わせで、
下手したら死とも隣り合わせだったお思う

僕の足は精一杯ついて行こうとして
全く止まらない
何が原動力として動いているのか
疲れはてて放棄気味になっている頭じゃ
疑問に答えられない

口は酸素を求めて、
ずっと空いてて
口が苦しかった
肺も苦しかった
喉は乾くし、そのせいで咳も出る

ふわふわとした意識の中、
前にいる師範をじっと見つめる

先を進んでいる師範は、
同い年なのに、小柄なのに
木々の上を軽々しくヒョイっと
移っていく
見事なことだと思う
まるで芸を見ているようだった

夜が更けた頃に、やっと
師範のお屋敷に着いた
お屋敷に着くと同時に
気が抜けたのか、はたまた疲れ果てたのか
体に力が入らなくなり
その場で寝てしまったらしい

継子の人達が運んでくれて、
起きた時には朝だった

清々しい空気で、春だからか
優しい風が入ってくる
ぴよぴよっと小鳥の鳴き声や木々のざわめき
自然の音が聞こえてきた
朝の爽やかな日差しは、
頭を起こすのに充分過ぎる程、眩しかった

後から聞くに、師範の走りは
いつもよりも手加減はしてくれていたらしい
師範は凄いと思った

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:下倉琉羽 x他1人 | 作成日時:2021年10月10日 11時

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