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夕暮れ時,33 ページ33

◯。夕暮れ時



静かな寝床で一息つく
ゴロンと寝っ転がれば
シミがくっきりと見える天井が見えた
これはこれで趣深いのではないだろうか

普段と違う殺風景な部屋
長机がおいてある訳でもない
花が生けてある訳でもない
花柄の華麗な着物を飾っている訳でもない

しかし、一人という点では何一つ変わらない
こんなに広い空間にただ一人
寂しく、布団に包まりぬくぬくとしている

酷く違和感をおぼえた
どことなく、違うと心が訴えかけている

何が普段と違うか、藤の家を訪れる時でさえ
感じなかったこの違和感

暫くしお布団に包まり、目を閉じる

その時、やっと気づいた
今日は見回りをしないからだと
毎日の習慣になっていたことに凄く驚いた

四年経って夜遅くまで起きる事には、
身体はいつまで経っても慣れないと思っていたけれど
習慣としては、染み付いていたらしい
習慣は不思議な事だと思った

謎も解けた事だし、寝ようと思い目を閉じる
自然と静かな空気に耳をすます



『一つとや 一夜明ければ
 にぎやかで にぎやかで
 お飾り立てたる 松飾り 松飾り…』



寂しく思う時はいつも歌う
隣に彼がいる気がしてくるから
わたくしの勇気の源だから

わたくしの声以外に何も聞こえない
鈴虫や、木々の擦れた音、鳥達の音などは
いっさい聞こえなかった
その空間がやけに寂しく思えた

今までで一番寂しい夜だった

朝の焼け火,34→←第三節,夕暮れ時,32



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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:下倉琉羽 x他1人 | 作成日時:2021年10月10日 11時

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