冷酷無情,26 ページ26
○。冷酷無情
無「最期に言い残すことは?」
無惨が魘夢に問う
死の瀬戸際だというのに
魘夢はニコリと微笑んだ
病「(こいつも殺される
この方の気分次第で全て決まる
俺ももう死ぬ…)」
魘「そうですね
私は夢見心地で御座います
貴方様直々に手を下して戴けることに」
無惨を愛でるような目で見つめながら
話す魘夢
その姿は嬉々としていた
魘「他の鬼の断末魔が聞けて楽しかった
幸せでした
人の不幸や苦しみを見るのが
大好きなので
夢に見る程好きなので
私を最後まで残してくれてありがとう」
数秒の沈黙の後
無惨は広角をあげる
無「気に入った」
ズキュと魘夢と花霞の首に針が刺さる
魘夢は悶え苦しんでおり
一方の花霞は
広角をめえいっぱいに上げ微笑んでいる
無「私の血をふんだんに分けてやろう
ただし魘夢、
お前は血の量に耐え切れず
死ぬかもしれない
だが"順応"できたならば
さらなる力を手に入れるだろう
そして私の役に立て
鬼狩りの柱を殺せ
耳に花札のような飾りをつけた
鬼狩りを殺せば
もっと血を分けてやる」
ベン
琵琶の音が鳴る
ベン
ベン
ベンベンベン
ベンベン
ベンベン
床が襖に変わり
花霞は、山の中に落とされる
近くには大きな邸宅、
その家を取り囲むように古民家が並んでいる
どうやら山奥の里のようだ
だけれど、人の気配は全くしない
少し年月が経ってしまっているからか、
所々古寂れていた
どうやら、廃墟のようだ
花「ふはは、
無惨様の血
無惨様の血よ
ふはは、ふハハハハハ
無惨様ぁ無惨様ぁ」
一人…
否、一鬼は真夜中に
月を見上げながら
高々と声を荒げていた
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作者名:下倉琉羽 x他1人 | 作成日時:2021年10月10日 11時