6話 正体を明かす ページ7
俺はトランプ王国の騎士の中でも、運動神経は抜群だった。
柔軟な動きができるし、人の気配を察知しやすいし、剣裁きだって随一だと思ってる。
それでも一番上にならなかったのは問題児だったからだ。
(四葉ターミナルへ徒歩30分なら、俺の足の速さなら５分弱で着くだろう)
でも1か月運動をしていないことと、右足首がなぜか痛いせいで体が衰え、15分はかかった。
ターミナルへ着くと、ジコチューがいた。
そしてキュアソードを含めた4人のプリキュアがジコチューと闘っていた。
俺は武器を持っていないから表には出れなかったけど、俺の出番もなさそうだった。
最終にかかった時、プリキュアは独自の技をだしていた。
「！」
いつの間にかジコチューは倒していて、敵もいなくなっていた。
「アイちゃん！！」
赤ん坊を抱きかかえたピンクのプリキュアは嬉しそうに安心していた。
他のみんなもホッとしていたから、あの赤ん坊は4人にとって大切なんだろうけど……、どこであの赤ん坊を拾ったのか気になるな。
ターミナルを出ると、車が停めてあった。執事みたいな人が車のドアの前に立っていた。
「あれ？ A？」
名前を呼ばれて後ろを振り向くと、六花たちがいた。
「な、なんでここにいるの？」
気まずい空気が流れてしまったけど、とりあえず四葉さんの案で車に乗って学校まで移動している最中にすべて話した。
「ええええ！？ トランプ王国の騎士！？」
「って！ 六花の家に住んでるって初めて聞いたよ」
「うっ。マナに言ったら驚くかなーって……」
「それは驚くよ！」
男と一つ屋根の下に住んでいると思われたら誤解されるしな。
「だから家がないって言ってたんだ。もしかしてご家族もジコチューに……？」
「それは関係ない」
「このまま六花の家に住むの？」
「……できればそうしたいけど、嫌ならすぐ出て行く」
「私は構わないから。
家事もしてくれるから助かってるし、何より家の中に一人でいるより活気があっていいもん」
ありがたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃゆ | 作成日時：2022年11月25日 0時
