16話 六花ママ対面 ページ17
「テスト……、え、ええ。ちゃんと勉強してる」
「ふーん。最下位だったら面白いな」
「とらないし、面白くもないから」
やっぱり、歌姫は俺に対してツンツンだ。たまにデレを見せるが……、ツンデレなのか？
「歌姫って、願い事ないの？」
「王国の平和よ。王女様が無事かも気になるし」
あー、まあそうだよな。
「欲しい物は？」
「特にないわ」
ふむ。
「もう1分経ったわ」
「ああ……」
やっぱり今日も歌姫から手を離してくる。
下を向いていると、いきなり俺の手を握ってきた。
「歌姫？」
「そんな顔されたら困るわ。だから、サービス」
俺が歌姫と手を繋げないことに寂しがっていると思っていることが顔に出ていたのか。
それはそれで恥ずかしいけど、いつも俺から手をとっていたから、いきなり手を握られたのは嬉しい。
「もう1回やって」
「嫌よ。もう帰るわ」
そう言って帰ってしまったけど、嬉しいから満足した。
家に帰ると六花はまだ帰ってきていなかった。
図書館で勉強でもしているのかもしれないから、先に風呂に入ってようかな。
「ただいま〜！」
「あ、おかえり。図書館によってたのか？」
「うん。ごめんね、遅くなっちゃった」
「大丈夫だ」
「そうだ。来週お母さんが帰ってくるから、挨拶しようね」
「あ、ああ、わかった」
ちょっと緊張する。
テスト週間が終わると、六花は家に帰ってくるなり部屋に閉じこもった。
また変な声が聞こえて心配になるけど本人は大丈夫だって言ってるから大丈夫だろう。
またココアを淹れてあげようと、ココアを作っている最中、家のドアが開いた。
「？」
＿＿空き巣？
少し警戒して居間でそいつを待っていると、扉を開けて居間に入って来た。
「……あっ」
六花のお母さんか。
「ん？ ……え、えっと、どちら様ですか？」
六花ママは驚いた顔をして俺を見ていたから、急いで六花を呼んで3人で椅子に座り話をした。
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作者名：ちゃゆ | 作成日時：2022年11月25日 0時
