14話 冗談よしてよ ページ15
初めてプリキュアの闘っているところを見たけど、悪くないな。
意外と体力もあって、わりと闘えていた。
騎士の俺よりも断然力があるようだから、安心した。
「みなさん、帰りましょう」
「そうだね！ は〜、楽しかった！」
「最後は大変だったけどね」
「そうね」
帰りの車では俺は何故か六花の隣ではなく、歌姫の隣になった。
たまたま、車に乗り込んだら歌姫が隣だっただけだけど嬉しかった。
マナ、六花、ありすが眠っている間、歌姫と俺、運転してくれているセバスチャンだけは起きていた。
チャンスだと思って、この前のことを謝った。
「この前の金曜日は、悪かったな」
「？ ……別に、気にしてないわ。間違ってないもの。私こそむきになってごめんなさい」
「気にしてない」
これは、仲直りしたってことでいいのか。
俺はこっそり歌姫の手を握った。
「！ ちょっ！」
「しー。みんな起きるだろ」
「っ。さっきもだけど、本当に意地の悪い人」//
「これは仲直りの印だ」
「……そんなこと言って、本当は私の手を触りたいだけじゃないの？」
意表をつかれたけど、別に否定はしなかった。
「だったら悪いか？」
素直に言えば、俺を意識してくれるんじゃないかと思ったけどそうでもなかった。
「冗談やめて。寂しいから手をつなぎたいんでしょう？」
そういえば、そうだった。
それが嘘だと言えば怒られそうだから、「あー、バレたか」とのっておいた。
でも歌姫は手を振りほどこうとしなかった。
それだけじゃない。歌姫もだんだん眠くなってきたのかフラフラしていて、最終的には俺の肩に頭をつけて眠ってしまったのだ。
「……」///
これは、ずるいんじゃないか？
俺のことなんとも思ってないくせに、なんの冗談だよ。
「……好き」
小さな声で呟いてみたけど、やっぱり寝ているから聞こえていない。
この野郎、このまま襲ってやろうか。
……なんてな。
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作者名：ちゃゆ | 作成日時：2022年11月25日 0時
