金曜日を俺に捧げる人【ドキドキプリキュア】 (ページ14)

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13話　彼女たちの絆ページ14

「やったね！」

ありすが勝利してみんな喜んでいた。

もちろん、俺も嬉しかった。でも歌姫が泥まみれで風邪ひかないかが心配だった。
セバスチャンがタオルを持って行ってくれたけど、頭から泥被っていい気分になる人はいない。

少し心配だ。

「ん？」

え、あれって……、ジコチュー？

急に現れたと思ったら、バラの姿でテニスコートで大暴れしそうだった。
五星お嬢の自分勝手な気持ちがジコチューを生み出すものになってしまった。

「みんな、行くよ！」

マナたちはプリキュアに変身した。
その時に、久々にキュアソードの姿を見てドキッとした。

(俺は人々の避難か)

「お、お兄ちゃん……」

泣きそうな顔で、少し遠くの席で俺を見ていた小さな男の子がいた。
その子は親がいないのか、はぐれたのかわからないけど、一人で席でうずくまって固まっていた。

男の子を抱えて会場から出ると、男の子の両親を見つけてすぐに渡した。

その後、どうしてもプリキュアの様子が気になってこっそり会場内に戻ると、ありす以外ジコチューに捕まっていた。

「私はマナちゃん達と出会う前、友達が居ませんでした。だから、ずっと友達が欲しかった」

ありすは何やらジコチューと話していた。

「その思いが募って、友達の悪口を言われると怒りで我を忘れていました」

「何をごちゃごちゃと！！」

「でも、マナちゃん達とプリキュアをやる様になって、いろんなことを一緒に経験するようになって、私達の絆は更に強くなりました。

そして、より深い信頼で結ばれたからこそ他の人の言葉に心動かされる事は無くなったのです！」

「だからなんだってのさ！」

「真の絆を持つことができた今、私に躊躇いはありません。

私は友達を守るために、正しき力を全力で使います！」

そしてありすは「ロゼッタリフレクション」と呼ばれる技をだして戦った。
他のみんなもそれぞれの技をだして、最終的にはマナの攻撃でジコチューを倒すことができた。

「……」

マナ、六花、ありすの三人は幼馴染だとは聞いていたけど、ここまで絆が強いんだな。
それからプリキュアになって、歌姫が加わったわけだけど四人で楽しく過ごしてるようで安心だ。

「あ、A！」

変身を解いた四人は嬉しそうな顔で俺を見てくれたから、俺は安心したように微笑んだ。