ばれてしまった ページ30
「 岩の呼吸 壱ノ型 蛇紋岩・双極 」
手斧と棘鉄球を同時に投げてAに攻撃する。
それをマントを囮に脱いで飛んでかわした。
もう太陽が沈んでいるからマントを脱ぎ棄てても平気だ。
「日輪刀を持ち歩いていないのか」
「誰かさんと違って喧嘩っぱやくないんでね」
「昔のお前とは大違いだな」
この人とは生まれた場所が同じだ。
だからよく誰かと喧嘩していた俺のことを知っている。
「お前がもし上弦なら、お館様に嘘をついたということ。許されぬことだぞ」
「もしの話だろ」
「お前を認めた覚えはない。周りの者たちとは違う。
だから私は今ここでお前を斬る」
呼吸をし始めた。
刀を持っていない今の俺には血鬼術しか使えない。
でも術を使えばこの人のことだからすぐに俺が上弦だとわかるだろう。
「…ははっ」
俺、まじで死ぬかもしれない。
「そうやって笑っていられるのも今のうち。裏切り者は排除する。南無…!」
腕使いを変え、鉄球を投げてくる。
「っ!」
「逃がさんぞ。
岩の呼吸 伍ノ型 瓦輪刑部 」
ドドドッ!!
空中から連続で棘鉄球を投げまくり、逃げ場をなくされる。
「くっそ」
「術は出さないのか。それとも出してしまえば、私に鬼の位がばれるのか…」
「俺を殺せば、お館様はきれるだろうな」
「それでも構わない。私はお前が味方だとは思えない。
それに鬼を生き残らせるメリットなど
我々鬼殺隊には1ミリもないのだからな!」
ドンッ!!!
「ぐっ!?」
突如後ろからきた手斧により右足を切断され、態勢を崩して座り込む。
「 弐ノ型 天面砕き 」
鉄球が飛んできた時、一瞬で足が再生した。
「!?」
ギリギリ飛んでよけきり距離をとる。
「やはり上弦か。その再生の速さは一般の鬼と比べて異常だ」
「っ」
面倒なことになった。
どうにかして、どうにかして話をそらしたいところだけど。
今、この人には何を言っても無駄そうだ。
最悪だ。
お館様には嘘がばれ、鬼無辻にもばれてしまったら、みんな死ぬ。
しのぶ……。
「血鬼術」
「!!」
「雪嵐六霞」
・
「はぁ…はぁ……」
気づくと悲鳴嶼は俺の前にうつ伏せで倒れていた。
息はしているけど、一向に立ち上がる気配がない。
「やっちまった……」
両掌を見て、口を震わす。
俺はマントをもって、遠くに走った。
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ゆう(プロフ) - いやいやそんなこと!次回6話程で完結しますので是非見てください!! (2021年3月11日 0時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - おぉ、なんかいつの間にか凄いことに、どうしたらこんな続きが気になる終わり方が書けるんだ? (2021年3月10日 22時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ほんと増えましたよね!嬉しい……(泣)見てくれる人がいると自然とニヤけが止まらなくて気持ち悪い顔してます笑 (2021年3月6日 13時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - お気に入り登録一気に増えましたねぇ、どんどん人気になっていく、凄い、、! (2021年3月5日 19時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 頑張りますー! (2021年3月3日 21時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年2月19日 21時