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近づかないで ページ14

夜、珍しく任務がなかったから散歩をしていた。

どうせ誰もいないから堂々とフードは脱いでいた。

夜風が気持ち良かった。

蝶屋敷の前を通ると、屋根に誰かいるのが見えた。


炭治郎と蟲柱だ。


「頑張ってくださいね。
どうか禰豆子さんを守り抜いてね。

自分の代わりに君が頑張ってくれてると思うと私は安心する。気持ちが楽になる」


「……あの、しのぶさん」

「はい?」

「しのぶさんもAさんを大事にして下さいね」

「!」

「しのぶさんはAさんを大切に想ってますよね?特別な匂いがします」

「どうして今そんな話を?」

「わかりません…。
上から目線ですね、すみません」


「鬼と仲良く…、そうですね。頑張ります」

「一緒に頑張りましょう!」


Aには2人が何を話しているのか聞こえなかった。

しかしその光景を見て拳を握った。


「っ」


距離が近い。
なんで二人で笑いあってんだよ。

今の俺には、あんな風に笑いあって楽しく話すことなんてできない。


「あっ、Aさんだ!任務ないのかな」

「……私はもう行きますね。今日は夜番なので」

「気をつけてくださいね」

「ええ。炭治郎君も頑張って」

「はい!」


シュッ!

しのぶはAの前に飛び降りた。


「任務、ないんですか?」


やっぱり笑ってない。
ていうかなんでこっちに来たんだ。


ドクンッ!


「!」


あ、やば。

任務ないと食べる鬼もいないから腹が減る。

だから人間見ると、


食べたくなるんだ。


「ッ!ゥ…!」


「!?」


剥き出しの八重歯に、真っ黒に染めかけた目。
Aは苦しそうだった。


「ウゥゥ…!」


やめろ、やめろ、今は駄目だ!

明日になれば任務が来るだろ!


「はぁ!はぁ…」


危なかった。
腹が減ってる時は見ないようにしよう。


「もう、目の前に現れないでくれ」

「どうしてですか?」


「鬼は嫌いなんだろ。
それに抑制できなかったら食っちまう」


「私の身体は毒だから平気です」


本当は食べたい。
君の全部を受け止めたい。


「馬鹿言うなよ」


「…どうしていつものように笑わないんです?」


鬼になってから普通の生活ができなくなった。

それなのにどう笑えばいいんだよ?


「笑い方、よくわかんなくなった」






「笑わせてあげましょうか」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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ゆう(プロフ) - いやいやそんなこと!次回6話程で完結しますので是非見てください!! (2021年3月11日 0時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - おぉ、なんかいつの間にか凄いことに、どうしたらこんな続きが気になる終わり方が書けるんだ? (2021年3月10日 22時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ほんと増えましたよね!嬉しい……(泣)見てくれる人がいると自然とニヤけが止まらなくて気持ち悪い顔してます笑 (2021年3月6日 13時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - お気に入り登録一気に増えましたねぇ、どんどん人気になっていく、凄い、、! (2021年3月5日 19時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 頑張りますー! (2021年3月3日 21時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年2月19日 21時

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