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鬼になった ページ2

目が覚めると牢屋のような場所にいた。

視線だけを左右に動かし辺りを見回す。


「……ここ、どこだ……?」


「やっと目が覚めましたか」


「……珠世さん…?」


珠世さんは牢屋の向こう側に立って俺を見つめていた。


「お久しぶりです、一宮Aさん」


「…………俺、確か鬼舞辻に会って」


「はい。心臓が微かに動いていたのでここに運びました。

もう朝です。鬼の襲撃があったので地下ですが…」


「朝なのに地下の牢獄……ってことは、もしかして俺」


珠世さんは「気の毒に」と言いたそうに眉をひそめて目を閉じた。


「あー、はははっ。鬼になっちゃいましたか」


起き上がって手を見ると真っ青だった。

まるで血色のないミイラのような手だ。

ちぎれたはずの左腕がある。

骨折していた足も痛くない。


「珠世さん!」

「炭治郎さん…」


「え?あ、え?お、鬼!?」


Aは短めの黒髪に、黒スーツを着ていた。

綺麗に青い澄んだ瞳、血色のない肌色。

いかにも鬼の姿だ。


「君は鬼殺隊なんだな」


「知ってるんですか?ていうか貴方は…」

「鬼殺隊 雪柱、一宮Aさんです」

「……えええええ!?柱ああ!?」

「むっ!」

「あ、禰豆子…」

「貴様、もうここには来るなと言っただろう」


「愈史郎……、久しぶりだな」


「拾いたくて拾ったわけじゃないからな」

「こら、愈史郎」

「すみません!!」


「……うっ!」


ああ、やばい。


「!?歯がむき出しに…!」


気づくと俺は炭治郎と呼ばれる男に食いついていた。

牢獄にいるおかげで平気だったものの。


「抗生剤を投与したけれど、やはり抑えが効きませんね」


「うっ!やめ……ろ……!!」


人間には手を出すな。


「はぁ…!」


危なかった。


「もうお館様は知ってるのかな」


「カァァ!!」


「!樋一郎」


「報告ハシテイナイ!」


「俺が自分で報告しに行くよ。

お館様に夜行くと伝えてくれ」


「カァァァ!!」


勢いよく飛んで行った。


「それまでここにいさせてください」

「どうぞ。抗生剤をまた渡します」


鬼になっても案外冷静でいられた。




「……元気かな」





胡蝶、しのぶ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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ゆう(プロフ) - いやいやそんなこと!次回6話程で完結しますので是非見てください!! (2021年3月11日 0時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - おぉ、なんかいつの間にか凄いことに、どうしたらこんな続きが気になる終わり方が書けるんだ? (2021年3月10日 22時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ほんと増えましたよね!嬉しい……(泣)見てくれる人がいると自然とニヤけが止まらなくて気持ち悪い顔してます笑 (2021年3月6日 13時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - お気に入り登録一気に増えましたねぇ、どんどん人気になっていく、凄い、、! (2021年3月5日 19時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 頑張りますー! (2021年3月3日 21時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年2月19日 21時

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