限られた時間 ページ38
「珠世さん、やっとできましたね」
「そうですね。これを鬼舞辻に……」
「これ予備にひとつ下さい」
「もちろん」
「ねぇ、珠世さん。
もしも愛する人と両思いになれたらどうします?
相手が罪人だとしてもお付き合いしますか?」
「いいえ」
「!」
「私は鬼です。人間と戯れるべきではありません」
「…」
「それでも諦められないのが愛なのでしょうけど」
珠世は「クスッ」と笑った。
しのぶは真剣な眼差しで前を向いていた。
·
ドシャッ!!
「ぬぁぁああ!!ムカつく!!
もう1回だァァァ!!」
「頭を使え。俺の行動パターンを瞬時に理解しろ」
「水の呼吸 捌ノ型 滝壺!!」
シュッ!
「漆ノ型 雫波紋突き!!」
ヒュオッ!!
桐生の水の呼吸を軽やかに交わす。
「くそ!当たると思ったのに」
「俺の行動パターンはいくつもある」
結局、この日は誰も俺に触れられなかった。
訓練後、約束通り炭治郎には残ってもらった。
「疲れてるだろうけど、あと1時間特訓だ」
「特訓?」
「ヒノカミ神楽は鬼舞辻を倒せる鍵だ。
もっと効率よく使えるように特訓してやる」
·
「しのぶさん!」
「真司君、お疲れ様です」
「1ヶ月ぶりですね、どこ行ってたんですか」
「どこだと思います?」
「焦らしますね」
「クスッ。稽古の方はどうです?」
「あと元氷柱のとこだけなんです」
「ああ。彼の……」
「あの、どうしてあの男に執着するんです?
お姉さんを殺した相手ですよ」
「今は稽古に集中しましょう」
「俺、しのぶさんが好きです」
「……」
「しのぶさんがあいつのこと好きでも俺は諦めません。
あなたを守るって決めてますから」
しのぶは桐生の頬に両手を当てる。
桐生は顔を真っ赤にして驚いていた。
しのぶは顔を近づけると、しばらくしてすぐ離れた。
「もう守る必要はありません」
「え?」
「真司君。今までありがとう」
「ちょっと、どういうことですか?」
「いつ死ぬかわからないので言いました」
「死ぬんですか?」
「君にも話しておかなければなりませんね。
私の部屋に来てください」
桐生はしのぶの身体について真実を聞いた。
そして桐生は何かを決心したように自分の部屋に戻った。
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ゆう(プロフ) - hutoさん» ほんとだ!!今急いで直しました!!見てくれてありがとうございます!気をつけますね! (2021年2月4日 2時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
huto(プロフ) - いつも面白いお話ありがとうございます!気になったのですが、あなたの笑顔のお話の最後上弦の参となっていたとですが、上弦の弐ではないのですか? (2021年2月4日 1時) (レス) id: adbf76b9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 小桜さん» 鬼滅の刃はしのぶ最推しですっ。かわいいですよね!桐生も報われてほしいんですけどどうなることやら…。ありがとうございます!頑張ります!コメントも励みになります^^* (2021年1月25日 10時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ゆうさん» お返事、ありがとうございます!しのぶさん、愛らしくて可愛いですね。桐生君は少し可愛そうな存在ですね...。頑張ってください!これからも応援しております! (2021年1月24日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 小桜さん、初めまして!見てくれてありがとうございます!!そう言っていただけるととても嬉しいです!幸せ願うばかりです。 (2021年1月23日 15時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年1月17日 0時