殺してください 弐【胡蝶しのぶ】

次は上弦の肆 ページ27

｢久しぶりね。元気そうね〜｣


隊服を着て、いつもの羽織りを羽織って立っている。

ここは社ノ里の神社だよな？


｢死んだはずだろ｣


これは血鬼術だ。

カナエがこんなところにいるわけない。

俺は夢を見てるんだ。

夢から覚めないと……、抜け出さないと。


ああ、駄目だ。君のそばにいたい。


｢A？どうしたの？｣


俺は耐えきれずカナエを抱きしめた。


｢ごめん。ごめん。ごめん…｣


謝りたかった。


｢笑えなくてごめん｣

｢いいのよ。だって｣


｢？｣



｢Aはもう、私のものだから｣




＊




現実__


しのぶが到着していた。


｢ここが噂の神社ですか｣


神社の前に青年がたっている。


｢坊や、危ないですからそこを…｣

｢お兄ちゃんが入っていっちゃった｣

｢お兄ちゃん？｣

｢お姉ちゃんと同じ刀を持ってたよ｣

｢同じ刀？｣


日輪刀？

でもここに派遣されたのは私のみ。


｢目を閉じて歩いてね｣

｢え？｣


振り向いて青年を見ると、いなかった。


｢？？｣


目を閉じてこの神社に入るということ？


｢……｣


しのぶは階段をのぼり、目をつぶって一歩を踏み出す。


｢……？｣


目を開くと、辺りは普通の神社だった。

でも微かに血の匂いがした。


｢？誰か倒れ…、！Aさん！！｣


賽銭箱に背中をつけて倒れているAを見つける。

Aの肩をゆさゆさと揺らしても起きない。


｢血鬼術？｣


｢なんでお前？なんで眠らないんだ？｣

｢！｣


気配に気づかなかった。

背後に鬼がいる。

この気配は、上弦だ。


｢貴方は…？｣


｢上弦の肆 屍。貴様は柱？誰だ？｣


｢鬼殺隊・蟲柱 胡蝶しのぶです｣


｢貴様も屍と眠れ｣




｢眠るのは貴方の方ですよ。

苦しんでお眠りになってくださいな｣

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