幸せを誰かに しのぶside ページ3
「どうしてここに?」
向けていた背を後ろにして私を見た。
「夜番です。どうして助けたんです?」
「あのままだと死んでた」
「私のことを甘く見すぎでは?」
「君にはまだ死んでほしくない」
「守るのはやめたのでは?計画を止めないのでしょう?」
「とめないよ。でも守る」
「!」
「最期まで守るよ」
私は今どんな顔をしているのかな。
眉を寄せているのだけはわかる。
「…なんで、泣きそうな顔してるんだよ」
「!」
なぜだか、1年前の記憶が蘇った。
*
「お願い…!お願いだから……」
_____私が貴方を殺す前に、去ってください_____
私は復讐を企てた。それが毒殺。
毒なら私が殺したこともバレない。
だから毒を研究し、半年かけて完成させた。
「やっと、できた」
その毒の入った瓶を手に取って見つめる。
その時、彼との思い出が聡明に頭をよぎった。
【俺の前では笑わなくていい】
【しのぶの、今の顔が好きだ】
「!」
【私のことは誘わなかったくせに】
初めて嫉妬した。
【私を1番に、誘ってほしかったんです】
【意外と甘えん坊なんだな】
初めて男の人に姫抱きをされた。
【!】///
初めて男の人に身体を見られた。
【見ないでください!】///
初めて男の人に怒られた。
【ふざけんな】
嫌われたのかと思ってたくさん泣いた。
でもすぐに仲直りできた。
【俺のほうこそごめん】
そして初めて男の人に心が揺れた。
【綺麗だよ】
【太陽はあっちですよ】
【しのぶに向けて言ったんだ】
その1年後、姉を殺したのが貴方だと知った。
【はやく、私の目の前から消えて……!!】
私は貴方を殺したくなかった。
【俺は君に惹かれていたよ】
その言葉に胸が苦しくなって、
気づいていたのに今まで気づかないふりをした。
「私は…っ、Aさんが好き……!」
毒の入った瓶を片手にまた泣いた。
それからその毒は捨てて、別の復讐計画を立てた。
あの人を殺さず、元の原因である鬼を殺すこと。
藤の花の毒を飲み喰べてもらう。
私の身体を吸収させればいいのだと。
愛する人を殺そうとした私は許されない。
私が姉さんを殺そうとすることと同じよ。
この気持ちには蓋をしよう。
私に幸せなんてもったいないわ。
*
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ゆう(プロフ) - hutoさん» ほんとだ!!今急いで直しました!!見てくれてありがとうございます!気をつけますね! (2021年2月4日 2時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
huto(プロフ) - いつも面白いお話ありがとうございます!気になったのですが、あなたの笑顔のお話の最後上弦の参となっていたとですが、上弦の弐ではないのですか? (2021年2月4日 1時) (レス) id: adbf76b9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 小桜さん» 鬼滅の刃はしのぶ最推しですっ。かわいいですよね!桐生も報われてほしいんですけどどうなることやら…。ありがとうございます!頑張ります!コメントも励みになります^^* (2021年1月25日 10時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ゆうさん» お返事、ありがとうございます!しのぶさん、愛らしくて可愛いですね。桐生君は少し可愛そうな存在ですね...。頑張ってください!これからも応援しております! (2021年1月24日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 小桜さん、初めまして!見てくれてありがとうございます!!そう言っていただけるととても嬉しいです!幸せ願うばかりです。 (2021年1月23日 15時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年1月17日 0時