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結婚。
その言葉がどれだけ重かっただろう。
Aの隣は俺じゃないってだいぶ前から知っていたのに、心のどこかで期待していた自分がいる。
俺ってバカだな。
その気持ちをどうにか押さえ込んで、動かしにくい口を動かした。
「そっか……。おめでとう。」
『ありがとう!それでね、あーちゃんに頼みたいことがあって電話したの』
「頼みたいこと?」
『……私に、魔法をかけて欲しいの』
「……!」
何年ぶりかにその言葉を聞いた。
もう二度とAにメイクは出来ない。
そう思っていたから尚更驚いた。
「お、俺でいいのか?」
『当たり前じゃん!私のメイクアップはあーちゃんじゃないと嫌だもん』
鼻息を荒くするAがなんだかおかしくて、思わず吹いてしまう。
何笑ってるの? と聞かれたけど、俺は何も言わなかった。
「わかったよ。メイクする」
『あーちゃんなら引き受けてくれると信じてた!ありがとう!!!』
「スキンケアちゃんとしとけよ?」
『言われなくともしますよー!』
この会話に懐かしさを感じた。
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蒸田。(むしだ)(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます! (2019年5月3日 1時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 泣いた、、、 (2019年5月1日 8時) (レス) id: 7d65f01594 (このIDを非表示/違反報告)
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