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あれから月日が経った。
俺はAに、メイクを教えることが無くなった。
教えなくとも、Aはできるようになっていた。
きっと、勉強したんだろう。
そのせいかAとの会話は自然と減り、ちゃんと関わる事が出来たのは登下校の時だけだった。
「あーちゃん」
「……?」
「もうすぐ夏休みじゃん?」
「……そうだな」
「それでね、夏祭りなんだけど……」
あぁ。このパターンはそうだろう。
「今年はあーちゃんと行けない」
そうだろうと思った。
どうせ、また誘われたんだろ。
ていうか、今年は じゃなくて 今年から だろ
心の中で俺は愚痴を零す。
なんて嫌なやつなんだって周りは思うだろう。
別にそう思われたっていい。
「……楽しんでこいよ。俺は劇団のヤツらと行くから」
「…そっか!よかった。あーちゃん1人だったらどうしようって思ってたから」
Aの頭の中はそいつでいっぱいのはずなのに、俺に優しくしてくれる。
そんな事されたら、諦めきれないだろ。
ふわりと笑うAが、一瞬だけ憎く思えた。
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蒸田。(むしだ)(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます! (2019年5月3日 1時) (レス) id: f91a58f64c (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 泣いた、、、 (2019年5月1日 8時) (レス) id: 7d65f01594 (このIDを非表示/違反報告)
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