#【三好一成】

# ページ11

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｢Aちゃーん！今日も来たよーん｣


｢あっ、丁度よかった。一成くん、ちょっと厨房に来てくれない？｣


｢いいけど…はっ！もしかして！！｣


｢新作キャンディできたよ｣


｢待ってました〜☆｣






今日もうるさい蝉の鳴き声。
でもなんだか今はうるさく感じない。

なぜか、なんてもう理由は気づいている。






｢おー！！いっぱい作ったんだ！すっげえー！｣


｢ふふ、｣






少し優越感に浸りながら、作ったキャンディを口に含めて笑をこぼす。

一成くんの視線を感じながら、袋詰めした。





｢ねぇ、それ何味？｣


｢なんでしょーか｣


｢味見したい！｣


｢えー、ちょっとだけだよ｣






私はひとつキャンディを渡そうとすると、急に一成くんが迫ってきて、唇が重なった。

溺れそうな感覚を、はじめて覚えた。






｢…っ、一成くん｣


｢……、はは…甘いね｣





そう言って彼は舌なめずりをして、キャンディをひとつ口に入れて｢美味しい！｣と感想を述べる。




今日は真夏日だから、暑いのか。
私の身体が彼のせいで熱いからなのか。


頭がぼーっとなって、よく分からなくなって、一成くんにやり返した。







｢ちょっ……、…、…不意打ちはダメ！｣


｢キスした仕返し。｣


｢やば、もっと甘くなった｣





私がキャンディを作っていなかったら、彼とこういう会話ができなかったかもしれない。

私たちが結ばれたのは、キャンディの魔法のおかげなのかもね。






#2人の夏はまだ、始まったばかり








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