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あの日、真っ直ぐにぶつけられた言葉に私は逃げ続けた。
それでも、目を合わせ涙を拭ってくれた。
抱きしめて、キスをした。
触れてくれた温度に、私はまた恋をした。
薄っぺらいと、胡散臭いと、馬鹿にしたものを私は抱きしめた。
愛おしいものだとまた信じせてくれた。
あの夜、初めて会ったその日のように私達はホテルにいた。
でもそこで後ろから私を包み込んで、信じられなくなっていた私の全てを聞いて、腕に力を込めてくれた。
慈しむような、壊れないように、私に頬を擦り寄せた。
私が話した全てと、貴方の口数は釣り合わないものだったけれど、貴方の言葉はその一つで私の全てを受け止めてくれた。
『別れるとか忘れるとか、俺が最後になればいい問題じゃん』
貴方は嘘なんて言えなかった。
どんなに絵空事のようなことを言ったって、全部が本当のことのように思えたし、そうだった。
嘘ばかり吐くのは、私だった。
貴方と一緒にいられたら、私も真っ直ぐになれるかな。
これから、私が嘘を吐いたらキスで塞いで欲しい。
そうしたらすぐに素直になれるように頑張るから。
『煙草、戻したら』
「もしかして強いの吸えなくなりました？」
『そんなことないけど』
「こっちの方が今はすきなんです」
『嘘つくんだ』
「嘘じゃないですよ、忘れたくなくて吸ってたんだし」
『もうAの前からいなくならないし、やっぱ戻して』
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恍(プロフ) - 🦇さん» ご指摘ありがとうございます。追加しました！ (2022年1月30日 1時) (
レス) id: 7393041891 (このIDを非表示/違反報告)
🦇 - 18がないんですけど…こちこち (2022年1月30日 1時) (レス) id: eced2265dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恍 | 作成日時：2022年1月18日 0時
