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私の望む関係になんて辿り着けないスタートで、どう進んだって私は最初に自分で選んだゴールにしか辿り着けなかった。
彼に求めたものはそれだったし、私自身がそれを欲していると信じて疑わなかった。
今までの私だったら、それで構わなかったんだと思う。
でも、変わっちゃったから、欲しくなっちゃった。
我儘になっちゃった自分が、酷く嫌いなのに、目の前の人にそれを見せたくない。
強がりと、我儘と、塗り重ねて私はどんどん私じゃなくなっていくのに、人から見た私はたぶんその見てくれ通りだと思う。
自分で招いた結果を嘆くなんて、悲劇のヒロインのようで嫌でたまらない。
「付き合ってもないし、関係ないじゃないですか」
まるで当たり前かのように周りでありふれる両想いは、どこにでもあるように見せて意外と手のひらには来めくれないから、嘘くさくて嫌いだった。
胡散臭くて、姑息で、夢を見させてくるくせに時間が切れたらさっぱりと消えてなくなる。
惚けてた自分が馬鹿だと思わせてくる。
後ろ指をさされて、くすくすと噂話をされるような辱めを受ける。
もうそんな夢を見るくらいなら、誰よりも自分を遠くから見て、私はそんなものに嵌らないなんて、いつからか高みの見物の様に私は生きてたはずなのに。
『あいつともヤってんの、普通に無理だった』
再び合わせられた目は、先程までの哀の色ではなかった。
怒を滲ませたような、でもまた私を射る目だった。
睨むような目は、私を動けなくさせる。
手足を取られたみたいに痺れて、向けられている感情は恐怖や不安を煽るものなのに、私はどこかで胸躍らせていて。
私は元からこの人に魅せられていた身で、ステージ上のその姿でも虜になっていたのに、あの日過ごした時間で今まで知らなかったこの人を知ったから。
骨の髄まで魅せられてしまっていたのを、またこんな時に実感するなんてどこまでも手遅れで、嫌になる。
「そんなの、関係ないから、」
また放った言葉は、煙草の味で遮られた。
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恍(プロフ) - 🦇さん» ご指摘ありがとうございます。追加しました！ (2022年1月30日 1時) (
レス) id: 7393041891 (このIDを非表示/違反報告)
🦇 - 18がないんですけど…こちこち (2022年1月30日 1時) (レス) id: eced2265dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恍 | 作成日時：2022年1月18日 0時
