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ステージの上に立つ彼を見て、肌を刺す風が痛みを催す季節に変わることに気づいた。
毎回一度だけ重なる視線が忘れさせてくれなくて嫌になるけど、やっぱり目を奪われて、どこも余所見が出来なくて、私も大概だと思う。
ステージの上と下を実感するくせに。
気高く自身の足で立つあの人と、代わる代わる縋って立ち上がれない私。
ライブ終わり、もう年の瀬が近づいてる今日、ステージ上の彼の輝く姿は眩しくて、目が霞んで、涙が出た。
私に伸ばしていたような気がした手は、触れることなく、沢山の光に振られていた。
微笑んで、手を振って、時に笑って、時に射るように見つめる。
私といた時はもっと推敲されていない文章のように散らばっていて、どこか鉄壁を築いているように強固で、、でもその奥に寂しそうな色をしたためて、縋るような声で私の名前を呼んでたのに。
なんて心の中で私しか知らないものだと思い込むあの人に悪態をついてた。
きっとそんなあの人を知ってるの私だけじゃない、私みたいな女の人はいくらだっていたはずなのに。
それでも、あの時の私に名前を呼ばせた声は、私だけのものなんて確証のない自信がどこかにあって、馬鹿らしく滑稽だと思う。
もう一本と手元を見れば、形の悪くなった箱の端に寂しそうに一本だけ残ってた。
あぁ、終わっちゃう。
別にまた買えばいいのに、なんとなくあの人と私を繋ぐものが終わっちゃう気がした。
別に繋がってもないないのに。
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恍(プロフ) - 🦇さん» ご指摘ありがとうございます。追加しました！ (2022年1月30日 1時) (
レス) id: 7393041891 (このIDを非表示/違反報告)
🦇 - 18がないんですけど…こちこち (2022年1月30日 1時) (レス) id: eced2265dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恍 | 作成日時：2022年1月18日 0時
