保護対象１-hの発見 ページ33
敵アジト付近の司令塔の占拠は外の雨音に紛れて比較的早くに終了した。
「んじゃロボロ、計画通りに」
「はいよ〜」
司令塔三階部分の窓から部下のもとに飛び降りて怪我もなく下から手を振る友人に手を振り返して、スコープを覗いた。しかし先に館に入っていった暗殺部隊の残りがもうすでに仕事を終えかけているだろうから此処に居る意味も実はあまりなかったりする。やがて雨が強くなり視界が悪くなった。もう少し上から狙うことを連絡し、司令塔内部の長ったらしい階段を自分よりも大きい銃を持って一段ずつ上がる。ちょうどとある部屋の前の大窓から狙いを定めていると耳元で、しゅーりょー、といういつもの声が聞こえてきた。結局仕事ないやんけ、と呟くとグル氏は注意深すぎるんや、と今回の任務を依頼した男について苦笑した。それが助かる時もあるし、大袈裟だと嬉しくなる時だってあった。
ふと背後の扉に何かが居る気配がして護身用の小銃を持って近づいた。いつからそこにいたかはわからないが確かに小さな呼吸音がした。敵が潜んで居ることを想定して低い状態になり扉を蹴り開けて飛び込んだ。
すぐに銃口を部屋中に向ける。その規則正しい呼吸をしていたのが目の前の机に乗っているよくわからない饅頭のような生物であることはすぐにわかった。自分と同じ、天という隠し面をつけた小さな小さなその姿になぜか強く惹かれ俺は其奴を両手で包みじっと見つめた。
「えっと、君誰？」
「ゆっや！」
返事をするように飛び上がり答える声は部屋中に響いた。埃の溜まった薄暗い部屋にいて怖かったのだろう、見ず知らずの俺の指にすり寄ってくる。その仕草に俺は自然と、こいつを守らないとと思った。友人の元へと走り出す。彼奴は話せばわかるやつだし案外優しいやつだからきっとこのよくわからない生物だって匿うのを手伝ってくれるはずだ。
「ゾム！な、なぁこれ……」
「ゆっや！」
「ゆっふふふ！」
「あれ、ロボロも拾ったん、これ」
彼の手のひらに乗っている生き物は自分が見つけたものと酷似しているがギラついた歯は危険だと一目見て思った。
「えぇ、危ないやん。噛みつかん？」
「なんでや！かわええ奴やろ？なぁー？」
「ゆっや、くしゅっ」
「ゆっふふふ……ふぇしゅっ」
二つの可愛らしいくしゃみに俺たちは顔を見合わせて笑った。傘も必要なくなる程晴れた頃、この国のおみあげはこの生物ってことにして風邪を引く前に早々に帰ることにした。
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星空りゅな - ひえっ…ゆっぞむ可愛すぎませんか…？物凄くこの作品大好きです、更新頑張ってください！ (2019年5月3日 9時) (
レス) id: c5345c7420 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - 希白〜こはく〜さん» 報告感謝します。修正いたしました。 (2019年4月30日 16時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
希白〜こはく〜(プロフ) - 絶対匿名03さんこんにちは！癒しをありがとうこざいます。続編移行のお知らせ(ページ42)の誤字報告をさせていただきます。保護対象の総数は4体でなく8体ということと夢主の名前の変換が出来ていない事をご報告させていただきます。 (2019年4月30日 16時) (レス) id: cba47ff50a (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - うおがめさん» 報告感謝します。修正しました。 (2019年4月7日 22時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
うおがめ(プロフ) - 誤字 報告41(ページ20) 資格→四角 (2019年4月7日 18時) (レス) id: 18693f0984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絶対匿名０３ | 作成日時：2019年3月23日 15時
