保護対象１-gの発見 ページ25
今回の土産は何にしようか、なんていつものように考えながら雨が強くなって来た夜の下町を駆ける。
敵国の重要人物の一人が匿われているアジトに潜入しターゲットを確実に仕留めた帰りのことだった。ふと路地裏の方から何か金属が落ちる音がして、そちらを見ると見慣れた敵国の生産するナイフが刃もなまくらで使えなさそうな状態で落ちていた。
「っ！？」
「ゆっふふふ！！」
ふと路地裏に置いてあったゴミ箱の方から何かが顔めがけて飛び込んで来た。咄嗟に片手で掴むとそれはまた声をあげた。
「うわっ、なんや……これ」
「ゆっふふ……ふひゃひゃひゃ！！」
変な笑い声をあげて其奴が頭の上に飛び乗り髪の毛を引っ張った。どこで掴んでいるのか分からないが俺は無理やり両手で引き剥がしゴミ箱めがけて放り投げた。柔らかいその体は衝撃を吸収するように広がるとまた元のように戻る。すかさず俺はナイフを向けた。
「動くな」
「………ゆっふふ！」
変な何かは暗がりでよく見えなかったが遠くでなる雷の一瞬の光の中で黄緑の目がギラギラと輝いていたように思えた。その口元は笑っている。
其奴はナイフめがけて口を広げるとナイフの先端にかじりついた。
「なにしてん、こいつ！？」
「ゆっふ、ゆっふふ……ゆっぅ、ぺっ」
ナイフを噛み何かを吐き出しまたナイフの別の部分を噛む。ナイフを引き抜こうとするとそれは強い力で防がれ、尖った歯がとうとうナイフの先端部分をパキリと折ってしまった。これではもう使い物になんてならない。そこで一つ分かった気がした。
「なぁ、これお前が食ったん？」
「ゆっふふ？」
落ちていた刃の欠けたナイフを見せると其奴は肯定するように頷いて笑った。夜の月明かりがが雨上がりの空から差しその時の其奴の顔を鮮明に見せた。笑顔だった。わかってもらえて嬉しいというのがよく分かる幸せそうな笑み。その笑顔があまりにも無邪気で俺はおもわず笑ってしまっていた。
「ゆっふふ？」
「なんでもないで。なぁ、これもっとあげるからついて来てくれんかな」
「ゆっ？……ゆっふふ！」
賛同の声をあげて出した手のひらに飛び乗ってくるのを受け止めて友人の元へと走った。友人が危ないと言ってもそれがこいつの本当の姿やないって俺はわかる。友人の呆れ顔を横目に彼の手の上にも乗せられた、小さなサイズの生き物を突くとやけに大きな声で怒りだした。こいつらおもろいな、とそれぞれ言った俺らは国への帰り道を早足で進んだ。
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星空りゅな - ひえっ…ゆっぞむ可愛すぎませんか…？物凄くこの作品大好きです、更新頑張ってください！ (2019年5月3日 9時) (
レス) id: c5345c7420 (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - 希白〜こはく〜さん» 報告感謝します。修正いたしました。 (2019年4月30日 16時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
希白〜こはく〜(プロフ) - 絶対匿名03さんこんにちは！癒しをありがとうこざいます。続編移行のお知らせ(ページ42)の誤字報告をさせていただきます。保護対象の総数は4体でなく8体ということと夢主の名前の変換が出来ていない事をご報告させていただきます。 (2019年4月30日 16時) (レス) id: cba47ff50a (このIDを非表示/違反報告)
絶対匿名０３(プロフ) - うおがめさん» 報告感謝します。修正しました。 (2019年4月7日 22時) (レス) id: b60e961817 (このIDを非表示/違反報告)
うおがめ(プロフ) - 誤字 報告41(ページ20) 資格→四角 (2019年4月7日 18時) (レス) id: 18693f0984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絶対匿名０３ | 作成日時：2019年3月23日 15時
