声のでない私と隆平くん (ページ18)

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想いページ18

隆平君に過去を教えたら

絶対に見捨てられるんだって思ったけど

予想とは裏腹に、抱き締められた

ビックリして、頭がフリーズした

丸｢僕が手をさしのべるから｣

｢信じて｣

そう言われ、脳裏に記憶が溢れだしたけど

隆平君なら信じてもいいのかな？そう迷って

目で伝えた

すると、この迷いは通じた

１度でなくなった声を戻すのはむずかしい

歯がゆく、情けなく、喉を突き刺したいくらいだった

言われた通りにイメージをした

隆平君の手が、私の心に入ってきて

それを握ったのと同時に

微かに声がでた

しばらく動かしていると

しっかりと声を出せた

嬉しくて、涙が溢れだした

好きだと言われる事なんて、なかった

そして、こんなに好きになることもなかった

だからこそ、隆平君に伝えたかった

｢あ、のね？……わたし、も……すき｣

案の定、マヌケな顔

それが可笑しくて、つい吹き出した

丸｢ちょ！え？！何でわらうん！｣

｢だ、って…………おかしい、顔、して、る…(笑)｣

丸｢っ………あーあかんなぁ………
　反則や……｣

なにがあかんのか、反則なのかよく分からなかったけど

想いを伝える事が出来た

丸｢ありがとう。俺と、付き合ってください｣

初めての俺呼びに

心臓が跳び跳ねた

｢うん………こちら、こそ……｣

丸｢っ！！ありがとう！すきやで！｣

しばらく抱き締めあってたあと

時刻を見ると、すでにお昼を過ぎていた

丸｢学校、戻りたくないよな｣

｢……ぅん｣

丸｢遊びにいこっか！どこかでご飯食べよ！｣

｢ぃ、いきたい！｣

丸｢よし！じゃあいこう！あ、その前に、はい！｣

手が差し伸べられた

丸｢もぉ、わかってよ～………こういうこと！｣

それは、１度はしてみたかった

恋人繋ぎ

丸｢逃がさへんから、覚悟しいや？(笑)｣

｢……にげ、ないよ？｣

わたしこそ、隆平君から離れないよ？