声のでない私と隆平くん (ページ16)

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過去ページ16

どこからかけばいいのかな

私の家族は、お母さんとお父さんの三人暮らし

平凡に暮らしていた

私も愛していたから、二人も私を愛してくれた

小五までは

ある日、お父さんの会社がリストラされて

そこから家族は崩壊していった

温厚で優しかった面影は消えて

毎日お酒を浴びるようにのんだ

お母さんは、あの優しい笑顔を見せてくれることはなくなり

お父さんがどこかで飲み歩いているときに

知らない男と汚らわしい行為をしていた

キャバクラでNO.1を誇っていたお母さんの収入は

ちゃんと貯金されていた

こっそり見ると

その額は1000万を超えていた

桁が大きすぎて、めまいがしたのを覚えている

ある日、学校から帰ってきたら

机に離婚書と鍵がおかれていて

私宛に書かれた手紙があった

｢｢Aへ
　本当に、ごめんなさい。けど、もうあんたの母親ではありません
　遠いところで、彼と幸せに暮らします。今までありがとう｣｣

とかかれていた

ショックを受けて、私ははじめて

絶望した

裏切られるって、こんなにも辛いんだね

すると、声を出そうにもでなくなり

友達はみんな離れていった

イジメはエスカレートし、日に日に精神がむしばれていった

お父さんは、私に暴力をふり

知らない女をつれてきては、

壁越しにキタナイ声を聞かされるばかり

だから、私も高校に入るとき

お父さんを捨てた

私も、捨てられたから

だから、男の人は信じられない

これが、私のｷﾀﾅｲ過去