⚽ ページ16
暫くして立ち上がった男が扉の外で騒ぎ始めた
A「おい、アンタ…逃げれそうか？」
部屋の中へ慌てて戻ると男は起き上がってこちらを見ていた
その顔色はだいぶ良くなっている
A「起き上がれるまでになったか……起きた所で悪いが、厄介な事になっている」
？「知っている」
A「何とかここから逃げたいが……生憎外にはまだあいつが」
ｶﾞｼｬｰﾝｯ
隣の部屋で何かが割れる音がした
A「なんだ!?」
暫くすると焦げ臭い匂いが漂う
A「まさか、放火しやがったのか!?」
Aは慌ててベランダへ走る
カーテンを開くと、開いた瞬間弾が飛んできてガラスが割れた
A「っ!?」
？「囲まれたようだな」
A「ﾁｯ……ケホッ!!」
煙が充満し出した
A「一か八か……一斉に飛び出すしかねぇのか」
？「…そろそろか」
A「？」
？「……お前、名前は？」
A「剣城、剣城A………あんたは？」
ｼﾞﾝ「ジンだ」
A「ジンさん、あんたを抱えて逃げたいところだが…どうやら許して……く、れ…？」
クラリと視界が歪む
A「…なんっ」
ｼﾞﾝ「ヤツらなにか混ぜて燃やしやがったな」
Aとは裏腹に平然としているジンがそうつぶやく
A「っ………あ、ん……だけで、も……にげっ…」
振り絞って出した言葉を言い終えることなく、地面へと倒れた
ｼﾞﾝ「……」
そんなAを支えると外からひとつの銃声が聞こえた
ｼﾞﾝ「…来たか」
それだけつぶやくと、煙が少ない場所にAを寝かせ扉を開いた
ﾊﾟﾝｯ
乾いた音と共に男が倒れ伏す
そんな男に目もくれずAを抱えると、燃えるアパートから飛び出した
ウ「兄貴!!ご無事でしたかい!?」
ｼﾞﾝ「あぁ」
ウ「そいつは？」
ｼﾞﾝ「こいつが俺を匿ったおかげで時間を稼げた」
ウ「そうですかい、それでどうしやす？」
ｼﾞﾝ「そろそろ警察が来る……見つかりやすい場所へと置いていく」
そう言うとAを火や煙が届かない場所へと寝かすとその場を後にした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナシ | 作成日時：2023年10月5日 1時
