【アンナチュラル】Half of ... Lemon, 2 (Remaster) (ページ29)

今日:55 hit、昨日:31 hit、合計:59,297 hit

Ep.69 ページ29

飲み会の途中からAの様子がおかしいと中堂は気になっていた

〝久しぶりに飲んだから〟と言っているがどうも引っかかる

お開きになり、三澄が〝送っていく〟とAに声をかけたが彼女は断った

それぞれが帰路につく

彼女のことだ

一回断ったら誰が送っていくと言ってもきっと断るだろう

しかし、中堂は〝なにか〟が引っ掛かり、Aのあとを追うことにした

こっそりとつけて歩くのはストーカーみたいでいい気がしない

しばらくするとマンションの前だろうか…Aが止まった

そして、彼女に誰かが近づく

何かを話しているようだが中堂は会話の内容がわかる距離にはいない

そのまま様子を見ていると突然〝やめてっ〟とAの声が聞こえた

わかりにくいが腕を掴み、もめているように見えた

中堂は二人に走り寄り、男の腕を掴んだ

中「なにをしている？」

Aは涙を流しながら〝どうして？〟と消え入りそうな声でいった

発してはいないが[どうして]のあとに続く言葉はきっと〝ここにいるの？〟だろう

男「あ、UDIの人だ。こんばんは」

〝なんだ、こいつは？〟

……

〝ちょっと待て…どこかで…〟

男「姉さん、やっぱり居るんじゃない…大切な人」

男は薄気味悪い笑みをAに向ける

…！

〝姉さん〟

〝そうだ、こいつ！〟

〝あの封筒に入ってた写真のやつだ！〟

『そんなんじゃないっ！

この人もラボの人も！

お願いだからやめてっ！！』

涙を流しながら男の腕を掴み〝やめて〟と必死に訴えている

今まで見たことのない彼女の姿に中堂は少し驚いた

〝どういうことだ？〟

男「おにーさん、何も知らないの？

〝わからない〟って顔してるけど？

あ、俺はAの弟、涼。

ま、弟っていっても義理だけどね」

そういいながら男はナイフを出し、刃先をチラつかせ始めた

その瞬間、Aから〝ひゅっ〟っという息が漏れた

義弟「どうしたの、姉さん？」

わざとらしく問う男に中堂は怒りを覚えた

しかし、安易に動けない

.