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その時、すごい勢いで階段を駆け下りてくる足音が聞こえた。
二「おいオジサン！なにナンパしてんだよ！」
智「あ、ニノ、おはよ〜」
「いや、ナンパじゃない…」
二「おはよ〜、じゃねぇよ！オジサンのくせに！」
智「オジサンとか言うなよ〜いっつも保健室のベッド貸してあげてるのに」
二「うるせぇ！てか言ったじゃん、こいつ俺の」
ニノが、私を顎で指して言った。
智「え、まじ？」
私は小さく頷いた。
智「え、あの、ニノがずっと好きだって言ってた、この前同棲し始めたって言ってた、あの彼女って、Aだったの？」
二「だから人の彼女を名前で呼ぶなこのナンパオジサン！！」
「違うの！智くんは小学校の時の友達で…」
そこまで言って、しまった、と思った。
ニノの表情が硬くなる。
二「小学校の時の…友達…？」
たぶん、頭の回転が速いニノなら気づいてる。
小学校の時の友達。
私の彼氏に異常に反応する智くん。
それらから出てくる答えは…。
二「オジサンって、櫻井翔ってやつの友達なの？」
「違うよ」
智くんが何か言う前に、私が答えた。
「智くんは、１，２年の時に同じクラスだったの。翔くんは３年の時に会ったから、知らないと思うよ」
二「そうなの？」
ニノが智くんのほうを見た。
智くん、お願い、話合わせて…。
智「知らないよ。翔くん？誰？」
「私が前好きだった人？みたいな、とにかく智くんには関係ないから大丈夫」
二「ま、いいや。とりあえずナンパオジサンじゃなかったってわかったし」
ニノの、納得してない感がすごい。
でも、もし本当のことを言ったら。
智くんが翔くんと会ってるって知られたら。
今のニノなら、どんな行動に出るか、わかったもんじゃない。
本当に翔くんのことが吹っ切れているなら嘘なんか吐かなくていいはずだって、この時は全く気づいていなかった。
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作者名：はつる | 作成日時：2017年2月17日 19時
